」は、永遠に残っていく。
四人の皇子たちが劇的に崩壊していくなか、石作りの皇子は、四十年かけてかぐや姫との約束を果たすのだ。この皇子の崇高な美しさに感動でふるえた。
「かぐや姫」をうちの劇団で舞台化したいと思います。
そして「草の葉ライブラリーの第三弾は、山崎範子著「谷根千ワンダーランド」と、高尾五郎著「クリスマスの贈り物」、さらに第一弾で投じた「ゲルニカの旗 南の海の島」をもっと密度の濃い三分冊、「ゲルニカの旗」「最後の授業」「南の海の島」にして投じます。そして圧倒的な評価を得た「かぐや姫」の六作品です。これらの作品を別のシーンから紹介する場面を活動報告に、さらに「noteウオーデン」に打ち込みます。「noteウオーデン」を訪問してください。
ウオールデン
谷根千ワンダーランド 山崎範子
スナック美奈子での五日間
新聞配達の後を追う
怒涛の配達与太日誌
蔵の活用法を考えよう
事務所所探しの顛末
サトウハチロウ特集の最後
谷根千編集後記傑作選
獄窓の画家 平沢貞通のこと
D坂シネマの夜が更けて
奥本大三郎さんと千駄木を歩く
どこにでもいる少年岳のできあがり
生き物飼い方
地蔵になった哲学者
愛しの自筆広告
いま、私の目に見える景色
印刷所の男たちが版下を谷根千に変身させる夜
ステンドグラスのある風景
山崎範子の奥に見えてくるもの
‥‥‥‥‥‥
等々、四十編のエッセイ、ルポ、コラムが編まれている。
怒濤の配達与太日誌
12月25日
午後4時45分、『谷根千』56号できあがる。団子坂マンションに仕事場が移ってから、納品作業には屈強な足腰が必要なのだが、その労働は三盛社にオンブにダッコ状態。「腰が痛い」「息が切れる」「脚がよたる」といいつつ八千冊の『谷根千』が壁のように積み上げられる。外はもう薄暗く、配達開始は明朝と決め、台帳整理を急ぐ。納品書・領収書に判をおし、請求書を書く。いつもながらのドロナワ作業。夜、ニュージーランドに出奔中の十七歳の友人が突然遊びにきて、「えっ、おばちやん、クリスマスにも働いてるの?」
12月26日
未明、時計屋を営む姉より電話。息子が急性虫垂炎で手術するのだが身動きがとれない、たかが盲腸の手術なんだから勝手にやってくれと医者にいったが、親族の付き添いと、もしものときの輸血要員が必要だと説得された。ついては「おまえ、午前中病院にいってくれ、ちょうどB型だし」と懇願される。実は、人にはいえぬ弱みを姉に握られ頼みを断れず、『谷根千』の配達を気にしながら川口へ向かった。病室へ入り「叔母です」と担当医に挨拶。手術前に「剃毛します」と剃刀とシャボンを持ってきたかわいらしい看護婦に、甥は「自分でやります」とカーテンを閉め悪戦苦闘、シーツを紅く染めた。手術は順調に済み、昼すぎにお役御免。睡眠不足のまま午後から配達。谷中銀座の武藤書店で「年の瀬だというのに静かなもんだねえ」と声がかかる。今回は根津特集。これまで何かとストレー