はじめに・ご挨拶
はじめまして。ページをご覧いただきありがとうございます。福島県福島市松川町関谷で、コーヒー焙煎所「SEKIYA COFFEE&GOOD TIMES」を営業しております齋藤です。焙煎は生豆を煎ることによって、コーヒーの味や香りを引き出す工程です。同じ豆でも、焙煎により何通りもの味を引き出すことができます。豆の個性を存分に引き出せるように、研究を重ねる日々です。
コーヒーを淹れる齋藤
この度、2月2日の突然の火事により大切な店を失いました。しかし、「コーヒーを愉しむことを文化」にして、皆様に「幸福」を提供するというミッションを達成するべく、お店を何としても再建させねばなりません。私の想いに共感いただき、一人でも多くの方と一緒に新たな出発をしていきたいと思っています。
火事以前の店舗の様子
火事後の店舗の様子
コーヒーを愉しむことを文化にする
コーヒーを愉しむことを文化にする。これは、私の人生のテーマであり、大切なものがすべて燃えてしまう火事があろうとも、絶対に店を存続させたい理由でもあります。私は、福島県で「コーヒーを愉しむことを文化」にするべく、絶対に店を再開させねばなりません。
私は、「コーヒーを愉しむことを文化」にするということが、人生の「豊かさ」と「幸福」につながると思っています。私にとっての「豊かさ」とは、美しいものを知っていること、「幸福」とは美しいものをたくさん知っていることです。美しいなぁという感情に浸っている時間は、とても静かで日々の喧騒や多忙さを忘れさせてくれます。
そして、「美味しい」は美しい味と書きます。私は、政治家ではないし、医療関係者でもないので、社会に提供できることは限られていますが、美味しいコーヒーを提供し続けることで、みなさんに美しいという感情に浸っていただき、「幸福」につなげてほしいと思っています。
そして、何かを文化にすることは、私一人でできることでも短時間でできることでもありません。「コーヒーを愉しむことを文化にする」ために、コーヒーを愛するたくさんの人と、この意志を引き継いでくれる人が必要です。皆さんに、このクラウドファンディングに支援していただき、「コーヒーを愉しむことを文化にする」ための新たな仲間になったいただきたいと思っています。
焙煎機の使い方を指導する齋藤
コーヒーとの出会いから「SEKIYA COFFEE & GOOD TIMES」ができるまで
コーヒーと出会ったのは、15歳の頃でした。泊まりに行った叔父の家で、人生で初めてレギュラーコーヒーを飲みました。ガリガリガリと豆を挽いている姿に目を奪われていると、今までかいだことのない香りがしてきました。飲んでみると、ガツーンと頭を叩かれたような衝撃を受けました。そこが始まりです。その衝撃が忘れられず、自分でもコーヒーを淹れるようになっていきました。
初めてコーヒーを飲んだ中学生時代の齋藤
その後、中学校を卒業して、高校にはいかずに働き始めたのですが、自分で淹れたコーヒーを大きなタンブラーに入れて職場の同僚に振舞うようになりました。「美味しいよ」「将来店できるよ」なんて言ってもらうこともあって、その中で、自分の生きる道はコーヒーにあるかもしれないなと思い始めました。
そこから、勉強のためにも、たくさんの喫茶店でいくつものコーヒーを飲みましたが、自分がほんとうに美味しいと思える一杯に出会えることはありませんでした。素敵なお店はたくさんありましたが、それは、自分の求めている「美しい味」ではありませんでした。
ならば、自らが焙煎した豆で最高の一杯をつくるしかないのでは、と思うようになりました。32歳の時に、必死に貯金したお金で、何とか1台の焙煎機を購入したところから私の挑戦が始まります。
初めて購入した焙煎機
最初の1年間は、新しくお店を始めたいという人に向けて市が提供しているスペースで営業を始めました。しかし、半年後に東日本震災があり、避難される方も多く、あまり売り上げは良くありませんでした。その後、陶芸家である友人と一緒に「珈琲楓舎(コーヒーカエデシャ)」を開業しました。7年間コツコツと営業しましたが、やはり自らの地元である土地でお店を構えたいという想いがあり、40歳になるタイミングで独立を決めました。
珈琲楓舎時代の齋藤
SEKIYA COFFEEのはじまりとこだわり
自らのお店を始めようと決めましたが、あまり資金がなかったので、建築家の友人に何とか少ない経費で店を開業できないかと相談しました。すると、自宅の隣のボロボロの納屋を自らの手で改装してお店をつくることを提案してくれました。本当にぼろぼろの納屋だったので、完成するか不安でしたが、たくさんの方が手伝ってくださいました。今まで知り合いでなかった方やプロの大工さんなんかも手伝ってくれて、「自分一人の力でできた店ではないな」ということをひしひしと実感しましたし、手伝ってくれた方の為にも真摯な気持ちで店を営業していこうと決意した出来事でもありました。
2018年開店準備を手伝う人々
店名は、私の名字の齋藤ではなく、店の地名である「関谷(せきや)」からとっています。「コーヒーを文化にする」ためには、長い時間が必要なので、私が居なくなっても残り続けていくお店であってほしい、誰かに引き継いでもらえるようなお店にしておきたいという願いから、「SEKIYA COFFEE」と名付けました。そして、「GOOD TIMES」は私の尊敬する方が経営する喫茶店の店名から頂きました。店をやるうえでの「芯」となる部分を学ばせていただいたので、その想いを受け継がせて頂きたいと思っています。下記写真は、その店主から教えていただいたもので、今も自分の中で大切にしている詩です。
尊敬する店主から教えていただいた詩(左)とその店のロゴ入りエコバック(右)
私は、世界一のものを作ろうと思って、お店を始めましたが、お客様にも、「お客さまの世界の中の世界一」をお届けしたいと思っています。お客様が知る世界のもので世界一のもの、たくさんの経験をしてきた中の、たくさんではなくてもコーヒーを経験してきた中の、そして、これからたくさん経験していく中の「世界一」をつくることを目指しています。ひとりひとり、好みも感覚も違うので、私のおすすめを提供するのではなく、香りをかいでもらって、時には試飲もして、お客様と一緒に「世界一」を探していくことを大切にしています。
コーヒー文化を広めていくために、プロ向けのコーヒー教室も開いています。年間10回行っているので、10年間で100回、1000人以上の方に受講していただきました。受講してくださった人の中には、独立して自分の店を始めた方もいらっしゃいます。「コーヒーを文化にすること」は、私一人の力ではできないので、この想いを引き継ぎ、広めてくれる若い世代が活躍することは、私にとって大きな喜びとなっています。
コーヒー教室の様子(左)と店舗で流しそうめんをする様子(右)
道半ばでの突然の火事
そうした皆さんの協力もあり、店も3年目に突入することができました。しかし、2月2日の朝4時ごろ、大切に
してきたお店、焙煎機、そして500キロ分の豆が燃えてしまう火事が起こりました。大切なものがすべて燃えてしまうという喪失感はすさまじいものでした。しかし、火事の直後であっても、「何一つ先のことは見えないけれども、絶対お店は再開させなくちゃいけない。コーヒーを文化にしようと一度決めたのだから、火事があったくらいで投げ出してしまうのは、自分としての本望ではない。」という想いが確かにあり、店を辞めるという選択肢は一切ありませんでした。もともと、ぼろぼろの納屋を自分の手で改装して始めたお店だったということもあり、何もなくなった焼け跡を見ながら、また全部1から始めようと考えていました。
火事直後、焼け跡の様子
ありがたいことに、火事のあった次の日から多くの励ましの言葉をいただきました。火事で焼けてしまった店舗を片付けに来てくださる方、差し入れを持ってきてくださる方、募金を立ち上げてくださる方、本当に多くの支援をいただきました。それと同時に2年前に店を作りあげたときと同じように「自分一人の店ではないな」ということを改めて感じていました。絶対に店を再建させて、この恩を返したいという気持ちも強くなりました。
火事直後に『青空コーヒースタンド』をやってくださったSAKAMOTO COFFEE さん
再興、そしてその先へ
(1)火事によって全焼したお店の再建
「コーヒーを愉しむことを文化」にしていくためにも、皆さんからご支援をいただいたうえで、まずはお店の再建が必要です。皆様から支援していただいた資金で、もう一度お店を建て直し、焙煎機を購入したいと思っています。
(2)取り扱いコーヒー豆の増加
さらに、お店の再建後は、「お客様の世界の中の世界一」に近づくために、今までより多様な豆を仕入れ、様々な好みに対応できるようにしていきたいと思っています。私が目指すのは、今までのお店をただ立て直すことではありません。「コーヒーを文化にする」というミッションを成し遂げるためにさらに、パワーアップした「SEKIYA COFFEE」として営業を再開することです。より成長した「美しさ」をお届けします。
クラウドファンディングにかける想い
最後に。今回クラウドファンディングをするにあたり、多様な考えを持つ方々に自分の考えをうまく伝えることができるのか、その方々と良い関係を築いていけるのか、という一抹の不安もありました。これまで、自分の考えを積極的に発信するということはしてきませんでしたし、もし批判されたらどうしようとか、分かり合えなかったらどうしようという想いも確かにありました。しかし、火事が起こったのだから、どこか苦手な人を避けようとする今までの自分も燃やしてしまおう、自分を変える勇気を持とうと決意しました。また、クラウドファンディングというかたちだからつながることのできた支援者さんとの関係は、その不安以上に大きな力となると考えています。これまでも、私を支えてきてくれた仲間がたくさんいました。だからこそ、私を支援してくれる新たな仲間を信じて、今までの自分と決別する勇気を出したいと思いました。たくさんの方に私の勇気を、そして挑戦を知っていただき、新たな仲間になっていただきたいです。よろしくお願いいたします。また、 再建したお店が軌道にのった次の展開として、カフェの営業も考えております。現在は、焙煎が中心の店舗ですが、新たにイートインを中心とした店舗の建設を目指します。コーヒー文化の基地となるような場所。新しい、でも懐かしい空間を作り、新たに仲間を募り、コーヒーの世界を
より広く深く体感していただけるようなカフェをここに築いていきたいと思っています。クラウドファンディングは、新しい始まりです。
ご支援よろしくお願いいたします。
リターンについて
今回のリターンでは、5,000円以上の支援をしてくださった方全員に、「奇跡のコーヒー豆(50g)」をお送りいたします。火事によって、ほとんどの豆が燃えてしまった中、最後まで燃えずに火事を乗り切った豆です。このコーヒー豆で、二度と作ることはないクラウドファンディング限定のブレンドを作りました。火事を乗り切った豆ですので、何かしらのパワーを秘めていると思います。また、同じく5,000円以上の支援をしてくださった方全員に、6月20日(日)の14時から16時には、オンライン開催の『コーヒー淹れ方講座』も開催いたします(リアルタイム受講が難しい方は後日、録画動画をご覧いただくことも可能です)。家庭でもかんたんに美味しく淹れられるコーヒードリップの方法をお伝えいたします。ドリップの道具をお持ちでない方には、1万円以下で揃えられるオススメ道具リストも全員にお送りしますので、ご安心ください。
さらに、『株式会社ミカフェート』代表コーヒーハンター José. 川島 良彰氏からお見舞いとして寄贈いただいた珈琲豆グァテマラ サンミゲル ブルボン ナチュラルの珈琲豆を含むリターンもご用意させていただきます。この珈琲は川島氏のために少量生産され、ミカフェートのみでしか販売していない大変貴重な珈琲です。そのような貴重な珈琲豆を生豆で20kgいただきました。こちらも楽しみにしてください。(1万円リターンの中のコーヒー豆200g×5袋をお選びいただいた方の中から、先着100名様に150gつけさせていただきます。)
その他にも、こだわりのリターンをご用意いたしましたので、お好みに合うものをお選びいただければと思います。
資金の使い道・スケジュール
使い道
ご支援いただいた金額は、リターンの費用やクラウドファンディング手数料を除き、焙煎機の修理代及び購入費、店舗の再建費・什器備品購入費に充てさせていただきます。
スケジュール
4月下旬 店舗リニューアルオープン
5月中旬 リターン用の豆の焙煎開始
6月上旬 リターンの送付開始
6月20日14時から16時 コーヒーの淹れ方オンライン講座
店舗情報
<店名>SEKIYA COFFEE&GOOD TIMES ( せきやこーひー&ぐっどたいむず )
<住所>福島県福島市松川町関谷字藤窪6-1
<アクセス>
電車:JR東北本線金谷川駅より徒歩約5分
車:東北自動車道福島松川スマートICより約10分
<平均予算>400円 ※コーヒー豆は1,300円前後
<クレジットカード>VISA,MasterCard,JCB,AmericanExpress,その他
<席数>16席 ※6席は屋外のベンチ
<駐車場>3台
※本プロジェクトはAll-or-Nothing方式で実施します。目標金額に満たない場合、計画の実行及びリターンのお届けはございません。