*まずはページ冒頭の動画をご覧ください。
01. はじめに
02. プロジェクトの背景
03. プロジェクトで実現したいこと
04. “産み”の物語『Pacific Mother』
05. “海”の物語『Pacific Mother』
06. それぞれのバース・ストーリー
07. 女性の権利と母なる海を守りたい
08. チームのご紹介
09. 資金の使い道とスケジュール
10. おわりに
はじめまして、この映像プロジェクトの発案者の一人であり、主人公を務める福本幸子です。製作チームを代表して、ごあいさつさせていただきます。
私はこれまで世界中を飛び回り、女優やモデル、クリエイティブ制作やプロジェクト企画といったさまざまなエンターテイメントの仕事に、25年以上携わってきました。
自身で主演兼プロデューサーを務めた水中映像作品『aimer』が、アムステルダムの映画祭で受賞したり、陸上だけでなく水中でのパフォーマンスを追求する中で、気づけば表現の舞台が「海」を中心に展開していて、ついにはフリーダイビングの世界に魅了されていきました。
沖縄で生まれ育った私にとって、海は生活の一部であり、故郷のような存在。子供の頃は美しかった海が変わり果てていく姿を見て、か弱い海を守りたいという思いで、活動を続けています。
2019年、私はパートナーのウィリアムの故郷ニュージーランド(以降、NZ)に渡り、娘を出産しました。
ずっと、表現活動を優先する人生を送ってきた私にとって「妊娠・出産」は、常に遠くにある夢のようなテーマでした。
遂に私のところへコウノトリがやってきた時には、世間的には高齢出産と言われる年齢に。幼い頃から「海の中で出産したい」という夢があったのですが、さまざまな理由から断念。
次に、自宅での水中出産を目指しましたが、日本において私の年齢では、理想とする形は難しいとわかり(※1)、調べた結果、NZが世界有数の出産先進国ということを知りました。そして、彼の実家で、現地の愛情あふれる助産師のサポートを受けながら、水中で娘を産むことができたのです。
NZでは、9割の女性が助産師さんを選び、多くの妊婦さんが自宅や助産院で出産。ホームバースも水中出産も「出産方法の選択肢の一つ」として、当たり前のように提案されます(※2)。
「命がけで生まれてくる子どものために、私も命がけで産みたい」
「子どもと自分にとって、もっとも安心できる方法で産みたい」
と猛勉強をして、自分が納得のいく出産の方法を選びました。
その結果、「もう最高!」としかいいようのない、夢のような〝ポジティブなお産〟を経験することができました(その様子は、後述する短編『Water Baby』で映像化)。
出産のことを勉強する中で、妊婦に選択肢が与えられないどころか、女性の権利さえも、まともに認められていない国々が多数あるという悲しい現実を知りました(※3)。
その世界の実状に思いを馳せながら、生まれてきてくれた娘を抱きしめていると、「すべての女性が、自分が望む方法で安心して出産できるよう、サポートを受けられる社会になってほしい」という、強い想いが私の中で芽生えたのです。
〈長女は生後3ヶ月で海で泳ぎました。まさに海の子、Water Baby〉
紆余曲折を経て、NZでの出産を決意したとき、その記録を残して作品にしたいと、旧知の現地プロデューサー小澤汀(みぎわ)さんに相談をしました。その発案がきっかけで誕生したのが、ショートフィルム『Water Baby』。
「妊娠・出産」は