命の起源、母と海を守りたい。 “産み”と“海”のドキュメンタリーを世界へ

命の起源、母と海を守りたい。 “産み”と“海”のドキュメンタリーを世界へ
フリーダイバーで女優の福本幸子は、2019年、彼女のパートナーでありフリーダイバー世界チャンピオンのウィリアム・トゥルブリッジともに出産先進国として知られる彼の故郷NZで、念願の自宅での水中出産を経験。この様子に追った短編『Water Baby』の続編、『Pacific Mother』の製作が決定!

〝ただ美しいだけの映画〟ではありません。海の保護、女性の権利、出産制度にフォーカスする「インパクト・ドキュメンタリー*」として、人々の意識や社会を変えたいと考えています。

今回も短編と同様、「日本・NZ共同製作」という形をとります。

そして、私から両国のトップランナーたちに声をかけてチームを編成し、さらなるコラボレーションも画策しています(当ページの後半でご紹介)。

今回は、私たちの想いを共有することで、みなさんと一緒にこの夢を実現したいと思い、クラウドファンディングへの挑戦を決めました。

そんな私たちに、みなさんのお力をお貸しいただけないでしょうか!?

(*特定の社会問題にフォーカスし、その解決を促すドキュメンタリーのこと。近年、多くの作品が社会運動や制度変革の起点となったことで注目を集めている。)
〈妊娠6ヶ月頃に、クジラの親子と泳ぐ福本幸子〉

幸子さんは娘さんを出産した後、太平洋と共に生きる、美しくたくましい友人たちのバース・ストーリーをめぐる旅に出ました。

海とつながるPacific Motherたちが選んだ「ポジティブなお産」とはーー。

雄大な海に面した場所で、自身の肉体と精神、新しい命、文化的アイデンティティを守るために、彼女たちは立ち上がりそれぞれの美しいバース・ストーリーを綴っていたのです。

幸子さんは彼女たちに大きくインスパイアされ、「母親の数だけ出産の物語がある」という結論に辿り着きます。そして、再びNZに渡り、娘を取り上げた心優しい助産師ジュリー、ウィリアム、そこに2歳となる長女が加わる形で、2人目の出産に臨みます。

〈幸子とウィリアムをサポートする、ベテラン助産師ジュリー〉

撮影現場では必ず助産師さんの姿がありました。出産時はもちろん、産前から産後まで一貫して、母と小さな命に寄り添って責任を負う助産師さんの、プロフェッショナルな知識と豊かな経験、そして包容力は圧巻の一言。

「なぜそこまで身を削れるの?」と、声をかけたくなるほど献身的で愛溢れる姿勢に、私は毎回心打たれます。撮影を通して、私は助産師への特別な想いを抱くようになりました。

遂に私は、妊婦のサポートをする専門家「ドゥーラ」(助産師と違って医療行為はしない)になることを決めたのです。その資格を目指し実習を重ねていると、重責と激務によって、公私のバランスが取れずに苦む助産師さんたちの実状を知るようになります。

NZでは、産科医と助産師は同等の権限を持っています。

妊婦が助産師を選ぶと、助産師が主導権を握り、もし「医療の手助けが必要」と判断した場合、病院や医師と連携してお産を進めることができます。母子に問題がない場合、妊婦はお産において一度も医師に会わないこともあるのです。

複数の研究結果によると、助産師主導のケアシステムは、妊婦の満足度が高く、産後のメンタルにも影響があると言われ、さらに吸引・鉗子分娩と、胎児・新生児死亡率も減る傾向にあります(※9)。
幸せなお産には、助産師さんの存在が不可欠だと思うのは、私だけでないはずです。

なのに、助産師の収入と地位は、医師より低い。

日本では、そもそも助産師の数が不足しています(※10)。「産婆さん」という伝統文化があるにも関わらず、お産における助産師の権限も小さく、地位も収入も産科医と比べものにならないくらい低いのです。

そして、他の先進国においても同様であり、一部の途上国では目を背けたくなるほどひどい状況にあります。

だから私は、社会がもっと助産師さんに敬意を払い、彼女たちの地位と収