アジア象と象を守る人々の物語を通して自然、動物、人のつながりを見直す映画の制作

アジア象と象を守る人々の物語を通して自然、動物、人のつながりを見直す映画の制作
コロナ禍で観光客が消えたタイ。象の観光施設は閉鎖が続き約3700頭の象が飢餓や病気で苦しんでいる。タイの観光を支える象は苦難の運命を生きてきた。その象たちを懸命に守る人々がいる。言葉をもたない「エレファントの叫び」に耳を傾け、象と人間の物語をドキュメントすることで自然、動物、人のつながりを見直す。

いと思ったのです。

7頭の群れで暮らすエレファント・ネーチャーパークのファーマイ一家。彼女たちは別々の象観光施設から保護され、ここで出会って母系の群れをつくり、一緒に子育てもしてきた。

エレファント・ネーチャーパークの専任獣医師、看護師が飼育師の協力を得て点滴中。巨体だけに象の治療では関係者の安全確保も重要。好物の果物を与えて象を落ち着かせながら治療を進める。

北タイの象観光施設から母象とともに救助保護された雌象ピーマイ(1歳)と飼育師のソートーコ。遊び好きな子象は動き回るので専任飼育師は体力のある若者が多い。左は乳母象のディーマックス。

撮影チームは10月6日、レックさんの誕生日と功績を同施設のスタッフとともに祝った。レックさん、彼女を母親のように慕う雌象ファーマイ(12歳)と佐保の特別ショット。

同施設では早朝、各群れが担当飼育師と各テリトリーに移動して1日を過ごし、夕方、象舎に戻る。

大量生産、大量消費、大量廃棄の社会構造に組み込まれた私たちは、半世紀以上前から地球温暖化や環境破壊の課題を突きつけられています。野生動物の絶滅や観光で酷使されるアジア象の問題も、ルーツを辿れば人間の限りない欲望につながり、新型コロナがその事実をあぶり出したともいえます。映画「エレファントの叫び」の目的は、タイの象の問題を描き出すことだけではありません。象と象を守る人々の物語を通して、それぞれの地域やくらしの中で自然、動物、人間のつながりについて改めて考えてみる。そんなきっかけを提供できる映画を制作し、象をはじめとした動物への支援の輪も広げられればと考えています。

今年8月に救助されたチャバ(2021年6月生まれ)と母象ブンマ。栄養補給とマッサージで母乳の量も増え、チャバは象舎を出て敷地内を散策するほど成長した。

水浴びを初めて体験した生後3ヶ月の頃のチャバ。成長の過程を観察しながら、子象のいる群れとの交流を少しずつ試みる予定だ。

映画制作の背景紹介の最後に、チンパンジーの研究で世界的に有名な動物行動学者で国連平和大使のジェーン・グドール博士の言葉をご紹介したいと思います。

「私にできること、それは自分たちで声を発することができない存在のために、声を上げて語り続けることです」

ドキュメンタリー「エレファントの叫び〜Roars of the Elephant」もそういう映画を目指して、これからも撮影取材を続けてまいります。

<ぜひご支援、ご協力をお願いいたします!>

国際映画祭への出品を目指して、2021年4月から長期の撮影に取り組んでいます。コロナ禍で苦しむ象の現状、その救助搬送、保護された象が変わっていく様子などこれまでの取材活動は、弊社K.M.Tomyam Co., Ltd. の自己資金で進めてきました。撮影は2022年後半まで続き、編集完了まで含めると2023年までの長期プロジェクトとなります。自己資金だけでは限界があるため、2021年10月から日本でクラウドファンディングを始めています。皆様にはクラウドファンディングを通じて、または映画サイトに直接でも結構ですので、ぜひご支援とご協力をお願いできれば幸いです。

制作目標金額は150万円です。まずこれをクリアーできればタイ国内の移動費、宿泊費、撮影関係の人件費、撮影に伴う材料費や諸経費を最低限まかなえます。撮影のためにタイ全土を車で移動します。

今後の撮影内容
1)レックさんやセーブエレファント財団の活動(タイ北部)
2)野生象の撮影(タイ南部)