ないみいちゃんの進むべき道は見えていました。
できない事は、機械がきっと力になってくれる。
プレOPENから1年半が経過し、家族経営の小さなケーキ屋さんの一番の悩みは、人気のホールケーキの受け渡しをするスタッフが常駐でいない事でした。ここはかなり苦戦をしてきました。平日対応は、祖母に依頼するも祖母も86歳。いつまでお願いできるかわかりません。これから長い先を見据えた時、非対面営業に向けて、きちんと向き合うべき時期がきていました。
まずは、ホールケーキの非対面引き渡しが急務の状況です。
ただ、色々な方に相談し、その可能性を探りましたが、現時点で生のホールケーキを非対面で販売されている機器、実績はありませんでした。
生ケーキは繊細です。ジュースの自動販売機のように振動があるものではだめなのです。
ロッカー式の冷蔵庫が前提となります。冷蔵ロッカーが屋内仕様という規制もある中、みいちゃんが使えるようなものにしないといけません。予約者のケーキが、一般の方に買われてしまわないような仕組み作りも必要です。
でも、あきらめません。
特注で作る事を決めました。
とても大きな投資が必要です。
(写真 現在構想中のケーキ屋さんの非対面営業への挑戦)
でも、きっと、このプロジェクトは誰かの為になるかもしれない。
ハンデを抱えた人達の新しい就労先への道しるべになるかもしれない。
誰かが動けば、きっと世の中は変わる。
そう信じて、みいちゃんの将来の為に。子供達みんなの将来のために。
2022年に工房前に設置ができるよう、複数の企業様と打ち合わせを重ねていきます。
~ リターン商品について ~
今回のリターン商品は、「スイーツクリエイターみいちゃん」の初仕事になります。
斬新な発想、こだわり抜いたお菓子、単なるお菓子箱ではなく、もらって嬉しいお菓子のエンターテイメント制作として作り上げた商品がリターン品になります。
ここからは、今回のリターン商品がどのような経緯でどんなものが完成するのかを現在の進捗を交えてお伝えしたいと思います。
今年に入り、京都の石田老舗様、常盤印刷紙工様、そして工房の設計を担当いただいたALTSDESIGNOFFICE様にご協力いただき、みいちゃんのお菓子の商品開発に入りました。みいちゃんプロデュースのお菓子をああでもない、こーでもないと議論しながら、時間をかけ少しずつ形にしていきました。
今回は、グッドデザイン賞金賞 受賞記念のお菓子工房のミニチュア版の作成がテーマでした。
みいちゃんは、とてもこだわりが強いのですが、焼き菓子に関しては、何度も試作をし、みいちゃんの「OK」がようやくでたのです。
関係する大人達全員が、みいちゃんの「OK」の合図を待つ。
場面緘黙症という不安病を持つみいちゃんですが、大人の中で打合せにも出席し、製造工場も見学しました。
その時、みいちゃんには声はありません。打ち合わせ中、工場を見学する時、ひたすら視界から情報を得るだけ。みいちゃんからの発信はその場ではできません。みいちゃんの発信は、自宅に帰ってから母の私にあります。みいちゃんの思いは、母の私を通じて関係者に伝えます。そんなやりとりをこの半年間してきました。
そして、同時に石田老舗さんが経営するシュークリーム屋さん「クレームアラクレーム」でも修行をさせていただきました。動かない身体をスタッフの方に支えていただいて一緒にシューを作りました。ここでも視界から得た情報のみで、工房で自分のレシピで再現し、教えていただいたとおりの「ス