ングフェスティバル」が開催されました。
▲第1回高崎マーチングフェスティバルの様子
マーチングは米国発祥で、楽器を持った集団がそろいの衣装でさまざまなフォーメーションを組みながら演技演奏を披露します。迫力ある演奏やダイナミックな動き、華やかなガードなど、マーチングは見る人に元気を与えてくれます。
市民の熱意から始まったフェスティバルも、高崎の秋を彩る市民参加型の音楽イベントとして今年32回目を迎えます。パレードは小学生から一般までの2600人が市役所前のシンフォニーロードを進み、県内外から訪れた約3万人の観客が声援を送る一大イベント。このほか、市内の保育園・幼稚園が出演する「キッズドリル」、約20チームによる「フロアドリル」、約10チームによる「街角コンサート」が行われています。さらに国内外のトップレベルバンドも招くなど、ハイレベルな演奏を子どもたちが間近で見ることができる貴重な機会になっています。
2019年には30周年を迎え、2020年2月に群馬交響楽団とマーチングのジョイント記念コンサートを開催しました。
30年以上続いてきたことで、親子2代でフェスティバルに参加したり、かつて出演したマーチングキッズが学校の先生となり子どもたちに音楽の楽しさを教えていたりと、マーチングを通じて音楽文化やそこに携わる人々を育てる役割の一端を担ってきたと実感しています。
▲子どもたちの可愛らしいパフォーマンスが光る「キッズドリル」
▲街全体をマーチングで彩る「パレード」
▲海外からも出演者を招いて幅広い交流を図っている
▲「街角コンサート」には毎回多くの人が足を止めて演奏を楽しんでいる
▲2020年2月に開催された30周年記念コンサート。群馬交響楽団と協演した
マーチング協会は理事長以下すべての役員がボランティアです。理事には小中学校の校長や市議の代表、保育園・幼稚園など参加団体の代表、商工会議所、観光協会などからも選出していただいています。フェスティバルの大会本部は市内の企業経営者や会社員、教員、主婦ら総勢40人以上のメンバーからなり、多くの市民に楽しんでもらおうと毎年開催を準備してきました。
◆中止することの“意味”
しかし、状況は新型コロナウイルス感染症で一変してしまいました。昨年は教育現場で金管バンドの練習がほとんど行えず、私たちのフェスティバルも他のイベント同様に中止を決断しました。
私たちにとってはたった1度の中止かもしれません。
しかしそれは、子どもたちにとって“大きな”中止でした。
中学高校の多くの部活動でいわれたことでしたが、子どもたちにとっては、二度とないかけがえのない一年だったのです。大人の判断とはいえ、当たり前のように中止を決めてしまったことを後悔しました。下級生たちは「来年は自分たちの番!」「あのユニフォームを着たい!」「トランペットを吹いてみたい!」「お姉ちゃんが出たパレードに出たい!」と憧れ、上級生たちは楽器に初めて触れる後輩に音の出し方を教えるという「共感の連続性」で支えられてきたフェスティバルの本質が、この中止によって途切れてしまうかもしれませんでした。
◆今できる形で
そして今年。コロナによる各イベントの中止は続き、学校における金管バンドの練習も元には戻っていません。しかし「2年連続のフェスティバル中止によって子どもたちのマーチングが途絶えてしまう」という危機感を持ち、どんな形でもいいから開催しようと春から活動をスタートさせました。
そして「第32回高崎マーチングフェスティバル