大を続けてきた線は、複雑に絡み合い、街に一種の「このようにすべきだ」「こうでなくてはならない」といったような、膠着したイメージを与えているのではないだろうか、と私たちは考えました。
この街で制作を続けて数年ですが、街の膠着的なイメージによって新たに生み出された分断や境界線の気配を常に感じてきました。
今、この街に必要なのは、様々な関係性が織りなす、複雑な線を一つ一つ解いていく作業だと私たちは考えており、今回の企画展を通してそのような作業を実際に行います。その作業、というのは各々の制作のことですが、参加作家たちが自分の制作を、街や既に生まれている線(=意味)に縛られすぎずに行っていく、ということによって、その複雑化した線を解いていく一助になるのではないでしょうか。
私は街で制作を続けているひとりとして、ひとりの若者として、その分断や境界線に意味があるのか。もっと曖昧な、揺れる線として、またはぼんやりした輪郭として、別々のリズムで同じ時間軸の中に存在することはできないのか?どうすれば、もっと自由にこの街で制作を続けていくことができるのか。という疑問を持っています。
私たちは複雑化した線の一部になるのではなく、その線を紐解く作業を企画展全体を通して行い、分断や境界の気配を持ったこの街の膠着したイメージをほぐしていく必要がある、ということをこの街、人々、鑑賞者へ提示していきます。
企画展期間中、開催予定のイベント
企画展「手つかずの庭」の開催に連動して、企画展期間中には、いくつかの関連イベントの開催を思案中です。参加アーティスト以外にも、3つのギャラリーで展示経験のある作家、ギャラリーにゆかりのある地域内外の方々の協力を得て参加ギャラリー近隣地域での開催を予定しております。
下記は現時点(6月時点)で開催予定のイベントです。
※企画展及び、関連イベントは新型感染症対策を万全に行った上で、開催いたします。
◆企画展「手つかずの庭」ナイトツアーイベント
→夜に企画展を巡るツアーを開催することによって、昼とは作品の見え方も、歩く街の見え方も異なって感じるはず。作品を紹介してくれる案内人がつき、企画展の作品を紹介します。
◆復興バーとの連動企画: THE ROOMERS’ GARDEN
復興バーとは?
石巻の仲間たち数人が、震災で天井まで海水に浸かってしまった建物をDIYし、2011年7月にオープンしたバーです。店内は、壁一面が賑やかなイラストや、マスターの似顔絵、寄せ書き、ステッカーなどで埋め尽くされています。
▲写真はISHINOMAKI2.0公式サイトより
イベント「YOAKE」とは?
先日(6/12)、復興バーとの初の合同企画イベント「YOAKE」を開催しました。
THE ROOMERSʼ GARDEN のコンセプトには場所性の意識というものがありますが、 同じ建物内にある復興バーとTHE ROOMERSʼ GARDEN のストーリーが交わり、新たなカルチャーをここ石巻で生み出すことを目的とし、イベントを企画しました。
イベントでは THE ROOMERSʼ GARDEN 主宰の平野将麻をはじめ、開催中の企画展に参加している作家がバーに立ったり、イベント開催中にギャラリーを夜間臨時オープン、石巻を中心とした作家の作品をバー店内に展示するなどの試みを行いました。
新たなカルチャーイベントとして今後も複数回に渡る不定期開催を見据えています。
▲6月に開催した「YOAKE#0」より
◆アーティストによるパフォーマンスイ