が織りなす京の町は、
日々進化を続け、訪れる人を魅了してやみません。
そんな京の町で目を引くと言えば、やはり京町家でしょう。
飲食店やアパレル、雑貨屋や旅館などが軒を連ね、派手な装飾や華美な設えはなくとも、
その佇まいが圧倒的な存在感を醸し出す町並みは、海外の人にとって感動のシーンです。
事実、京町家を買いたい人は世界中にいるそうで、中国・韓国だけでなく、
近年ではヨーロッパや中東の人が京町家を求めて不動産屋を訪ねているそうです。
京都のいたるところに重要文化財や世界遺産が現存しています。
コロナ前は年間5000万人も観光客がやってきていた、世界有数の観光都市でもあります。
細路地や裏路地にひっそりとあるお店が実は有名なお店だったりと、隠れ家的に飲食店が配置されているのも京の魅力の一つ。2020年度のミシュランではピブグルマンも合わせると200以上のミシュラン獲得店が!
そうなんです。京都という都市は日本の歴史上1000年以上都(みやこ)があった都市であり、
世界の歴史からみても非常に珍しい町なのです。
それゆえ、京にはさまざまな文化が発達し、建築や食などあらゆる文化が色づきました。
そんな京都に建てられた京町家は、現代の日本人から見ると古くて住みずらいボロ建物でも、
海外の人からみると、100年近く前から存在する日本を象徴する歴史的建築物で、
「私、JapanのKyotoに築100年の家を持っているのよね」
というのが、セレブ界隈で抜群の評判になるのです!
つまり、正しく価値を磨けば、需要はあるということなんです。
海外の富裕層から見れば京都の物件は世界と比較しまだまだ格安。
億越えの物件でも現金でドンっと買われる方も多いそう! ※写真はイメージ図
こうして、調べれば調べるほど京町家の魅力に惹き込まれていった僕は、
建築士さんと幾度もの打合せを重ね、大枠の構想を完成させます。
そして、その内容に沿って一人の大工さん(工務店の社長さん)に白羽の矢が立ちます。
その大工さんはMさんという方で、京町家の界隈では非常に有名な方であり、
現存する数少ない京町家修繕のスペシャリストなのです。
こうして、色々な縁が繋がり、我が京町家再建の陣営が揃い、
いよいよプロジェクトがスタートしました。
息子とプロジェクトがうまくいくことを祈念しにいった寂光院の写真。
「そうだ、京都行こう。」をイメージしています。
暑い夏場を避け、プロジェクトは秋口からスタート。
今回はほぼ全体をフルリノベーションするため、まずは中をスケルトンにするところから始まります。
ほぼフルスケルトンの状態。階段が浮いているのが印象的。
奥の間の天井を抜いた画像。天井を抜くと冷暖房の効率がとても悪くなるので一瞬迷いましたが、この立派な梁を出さないのはあり得ないと思い、全てぶち抜いてもらいました。
ぶち抜き後の梁を横から見た絵。このコントラストがたまりません。
梁に使われる大型の木材は切り出してから100年後くらいが最も強度がある時期。
つまり人間でいうと20代くらいなのです。300年近くはもつのが木材の魅力でもあり、木造建築である町家は手入れをしながら300年以上引き継いでいけることが本来の魅力でもあります。
歴史を感じる梁の煤
土壁は自然素材のみで形成されており、家とともに呼吸をします。その分、煤(すす)などで汚れています。
解体は手伝いさん(てったいさんと読みます)が執り仕切ってくれます。貴重な文化物のため、大工さんが教えている建築学校の学生も週に一度手伝いに来