の「パクチー銀行」本店を作ることは、パクチーに人生をかける僕の、新たな創作活動であり、建物全体がインスタレーション・アートとなります。
どうやって成り立たせるの?
パクチー銀行のメイン業務は「種をあげる」ことがほぼ全てで、一般的な意味での経済活動といえるものではありません。
パクチー銀行・本店は、保田駅を利用する人をターゲットとしたカフェ兼土産物屋として通常営業していく予定です。鋸山の表参道のある駅であり、土日には多くの登山客が利用するものの、周辺には現状お店が少なく、やり方によっては大きなチャンスです。
また、周辺に住む町の方々が、気軽に出入りできる場所にします。すでに運営しているコワーキングとアーティストインレジデンスの鋸南エアルポルトも、誰もが自由に出入りする空間として開放しているのですが、「他人が仕事しているのを邪魔しては申し訳ない」(よく訪ねてくれる近所の人談。実際は、そこで起こるコミュニケーションが未来を創るというのがコワーキングの発想ですが)と多くの方は通常営業時には遠慮されるので。コーヒーやお茶を飲むという気軽な行為から、長期的には町の人たちをコワーキングの魅惑の世界に誘いたいと考えています。
そして、無店舗展開として各地でやってきたパクチーハウスを、この地でこっそり復活させます。完全予約制・会員制のステルス・パクチーハウスです。このクラウドファンディング以外では表向きの発表はせず、紹介でのみアクセスできる場とする予定です。
パクチー銀行新本店と鋸南エアルポルトの間には、かつて栄えた商店街があります。「行き交う人と肩がぶつかった」と幾人から聞いたでしょうか。今は通りに誰もいないことがしょっちゅうですが、両店舗を行き来する人を少しずつ増やします。そして、閉じたシャッターが一枚ずつ開いていくシーンを毎日イメージしています。
この建物がどう変化するのか、お楽しみに!
内外装について(パートナーの紹介)
内外装にはSOTOCHIKU素材を使用します。SOTOCHIKUとは、社会に散らばる古いものを新しい空間の素材として活かすこと。風雨にさらされた壁など、一見捨てるしかないと思われるようなものに価値を吹き込む手法です。
台風での被災のほか、過疎化が進む鋸南町には、空き家がかなり多くなっています。取り壊しや改装の際に出る、これまでは価値がないと思われていたものを素材として使い、新しい空間として再構成します。建物全体でSOTOCHIKUの価値と可能性を伝えることで、将来的には鋸南に多数散らばる資源が鋸南の外でも活用されることを目指します。
SOTOCHIKUは都内で内装工事を手がける株式会社グリッドフレームの田中稔郎社長が、二十数年の事業経験を経て、最近まとめあげたコンセプトです。その話を初めて聞いた時、鋸南が宝の山になると確信しました。田中さん自身、そのコンセプトをどう広げるか思案していたため、僕がその勝手応援団長になることにしました。
田中さんとの出会いは14年前に遡ります。パクチーハウス東京の店舗の場所が決まり、複数の内装屋さんに見積もりを依頼したうちの1つが株式会社グリッドフレームでした。あまりお金をかけずに店作りをしたいと考えていた僕は、各社の安っぽい提案(予算相応なのですが・・・)にがっかりしていました。お金をある程度かけないと、ハリボテのようなものしかできないのだと悟りました。
そうした中、田中さんは、めちゃめちゃカッコいい内装案を提示してくれました。手書きのスケッチを初めて見た時の衝撃は今でも忘れません。そ