パクチー銀行のリアル店舗をつくる:鋸山の入口、鋸南町保田駅前を盛り上げたい!

パクチー銀行のリアル店舗をつくる:鋸山の入口、鋸南町保田駅前を盛り上げたい!
内房線保田駅目の前の金融機関跡地に、パクチーの種を融資する「パクチー銀行」のリアル店舗をつくります。普段はカフェ併設の物販店として鋸山の登山客を迎えつつ、2018年に世田谷区経堂のリアル店舗を閉店して世界各地で無店舗展開している「パクチーハウス」の準備拠点兼会員制店舗として稼働させます。

年春)、パクチー普及活動に勤しみ始めました。活動の一環で種を配る活動を始めました。

2006年のノーベル平和賞をグラミン銀行のムハマド・ユヌス氏が受賞したとき、そのスピーチを聞いて感銘を受けました。担保でなく信用で貸すという発想の転換。そして、彼の立ち上げたソーシャルビジネスで多くの人たちが救われました。全文を読み終わった後、なぜか「これを超える銀行を作りたい」と思いました。

担保もいらず、信用もいらず・・・返済の義務もいらない銀行とは・・・。そんな意味不明な発想を現実のものにする方法論について妄想していたら、僕自身がやっていた「パクチーの種の配布活動」がそれを実現させることに気づきました。植物の種は数百倍、数万倍になります。百人に1人でも返してくれれば成り立つんじゃないかと思いつきました。

同時期に固定種とF1種という、植物の種にまつわる問題についても知りました。小規模でも「種をつないでいく」ことがこれからの世界で必要だろうなと直感し、せっかくだから楽しみつつパクチーの普及活動をしていこうと決意しました。そして、2007年1月1日、パクチー銀行を創設し、頭取に就任したというわけです。

パクチー銀行創設後、種を誰かに渡すという行為が劇的に変化したわけではありません。ただ、渡す際に「パクチーの種あげるよ。栽培してね」から「パクチー銀行から種を融資します。返済の義務はないので安心して食べまくってくださいね」という言い方をするようになりました。

実はパクチー銀行創設前、種を受け取っても栽培しない人が結構いました。タダでもらったものにはあまり価値を感じないのかもしれません。パクチー銀行創設後は、感覚値ですが、種をまく人が増えました。そして、栽培の様子や収穫して料理したことを報告してくれる人がたくさん出てきました。「返済の義務」はないものの、融資を受けて「何かを負っている感」があるのかもしれません。写真を撮る、友人に伝える、作った料理のレシピを公開する、などなど、パクチー銀行と僕のパクチー普及活動を行動で応援してくれる人が飛躍的に増えました。パクチー好きの方々とのコミュニケーションも増え、いつの間にか僕は、パクチー料理専門店を開こうという気持ちになりました。

そして、2007年11月20日にパクチーハウスを始めてからは、年間数千人に種を「融資」するようになりました。また、昨年からは「パクチー育てる」89日間国民運動(2020, 2021)なども開催しています。

パクチー銀行リアル店舗

金融機関の跡地に「パクチー銀行」本店を作る。冗談みたいな話ですが、これにより鋸南町に新たな話題を呼びたいと思っています。保田を訪れる人に驚きを与えたいです。

僕は、パクチー普及のため、パクチーを薬味から主役に転換させるということを一貫して行ってきました。「パクチー料理」という言葉を作り、それをジャンル化することをずっと目標として来ました。2016年のぐるなび総研発表の「今年の一皿」(食のトレンド)で「パクチー料理」が選ばれた時、その目標は達成されました。

取材やお客さんとの会話の中で、パク天(パクチー100%のかき揚げ)のことを食べられる現代アートと呼んでいました。これはパクチーという「誰も見向きもしないマイナー植物」に世間の注目を集め、しかも「パクチー料理」という一ジャンルまで作ってしまうということ、つまりパクチーの次元を1つ上げることの比喩でした。葉っぱという《平面=2次元》のものを、パク天という《3次元》のものに置き換えたのです。

金融機関そっくり