祉を、そしてもちろん人の心で福祉を。
日本ならではのこだわりの商品を届けたい。
福祉に関しては専門家でもなんでもなく、ただただ私にできることがビジネスを通しての福祉だったからです。
また作業所の職員さんは福祉のプロであって、毎日障がい者の方の指導、お世話に明け暮れ、それは忙しい日々を送っています。
企画においても営業においても限界があるでしょう。
そして私個人の寄付にも限界があります。
しかし、ビジネスを通してお互いのスキルを共有することで、賃金向上に向けてぶれることなく前を向けるのではと全国の福祉作業所を訪ねて強く感じました。
東西の壁がそびえ立つ未だ若いころに、バックを背負い、豊かで美しいパリからブタペスト、それからブルガリアまでたどり着き、その経済格差に驚愕したこと、また初めての海外旅行の香港で裸足の子供が、旅行者が投げるコインを海に飛び込み拾っていた光景などが私の原点になっているかもしれません。
そもそも、直接のきっかけとなったのは数年前、福祉作業所商品をあるプラットフォームで見つけたことです。
そのころ福祉作業所商品をオンラインで販売するのは多くはなく、物珍しさでそのサイトを覗いてみました。商品は小さな縫製製品でした。
長年アパレルにいる私が感じたことは一見、しっかりとできていたにも関わらず、購買に至るのはむずかしいのでは・・(勿論趣味の問題もあるかもしれませんが)ということでした。生地があまりにもそれを必要とする消費者のニーズとずれているように思ったのです。例えば不要になった生地の寄付によって作られた製品にどれだけの「購入希望者」がいるのでしょうか?
せっかくモダンなデザインのオンラインショップで売るものにしては新しさが欠けていました。私がまず感じたのは、同じ商品でも生地が魅力的なら購買に繋がるのではないか?ということです。
実際の商品も手に取ってみました。その時は縫製も一般市場に並べるには難しい、そして、決定的に欠けているのは生地選びのセンスとデザイン力だと思ったのです。
福祉作業所製品でもかたや食品は、その地域の特産物を使った美味しい物を作っていらっしゃる所は全国には多々あることも知りました。その中にはプロのパティシェなどの監修が入っているところもあることも。
そこで私たちは私たちに出来る服飾のスキルを使って、全国にある数百の縫製ができる福祉作業所と連携して、より消費者のニーズに合った『売れる商品』を作ることで、賃金、発信力を高めることができるのではないかと考えたのです。
一十一十(hitohito)のフィロソフィー
【障がい者福祉作業所の賃金】
全国にはA型、B型合せておよそ16,000ヶ所の就労継続支援福祉作業所があります。
A型約3,600,B型約12,500ヶ所の内訳です。
平均月賃金はA型78,975円 B型16,369円。(令和元年厚生労働省発表)
賃金の計算方法は(概ね)A型は時間制、B型は生産性です。
※障がい者就労支援対策に付きましては厚生労働省のHP、こちらをご覧ください。
障害者の就労支援対策の実情
「障がいがあっても働きたい人が、やりがいをもって生産活動を行い、その活動で生まれたモノやサービスが適正な価格で取引される。」
国のガイドラインの一つです。
実態はどうなのでしょう?
今は「働ける」場所は昔に比べて多くなりました。
もちろん障がいの程度にもよるでしょう。
重度の障害を持った方は当然働くことが出来