に植えました。とはいえ、獣が出る場所です。高額な資材で柵をしない限りはものが植えられないため、大部分は原っぱとして残り、何も作らないのに草刈をする負担だけが大きくのしかかりました。
一方、原っぱのよい面もわかってきました。保育園のさつまいも遠足の時、子供たちを見ていると、実に楽しそうに遊んでいました。原っぱには、決まった作物だけを植えている畑とは異なり、多様な植物と虫たちをみつけることができます。そこで子供たちは、好きなように虫取りやお花摘みを楽しんでいたのです。その光景を見ながら、作物を育てることは難しいものの、遊び場として活用できるのではと思うように。
負担となっている草刈の手助けとなって、子供たちの遊び場をより楽しくするものとして、家畜を飼う構想が生まれました。
原っぱで遊ぶこどもたち
白雪牧場のはじまり
家畜として何を飼うかいろいろ検討した中で、最終的に選んだのは馬でした。数ある候補の中で、馬であれば心を通わせる相棒となると感じたからです。2019年5月、とある牧場から一頭のポニーが農園にやってきました。そのポニーはたまたま妊娠していたため、やってきて間もなくの5月末に仔馬を出産。親子馬二頭の牧場が始まりました。
母馬カモミール
仔馬クローバー
何も無かった原っぱに、少しずつ手作りで牧柵や馬小屋を整備。さらに、2020年1月には、休憩場となる鉄道貨物コンテナを設置して、牧場の環境が段々と整ってきました。一方、ゆっくりですが、ポニー親子のいる牧場には、近所の老人や子供たち、通りがかったサイクリストと人が集まるように。何も無い耕作放棄地からはじまった白雪牧場ですが、2020年の秋には近くにある雑貨・カフェ「巣巣」さんの協力を受けてオープンファームイベントを開催。沢山の人が集まって賑わう場面もつくれるようになってきました。
牧場コンテナ
オープンファーム with 巣巣
コンテナカフェ with 巣巣
白雪牧場の課題
しかしながら、白雪牧場にはまだまだ課題もあります。人家から離れた原っぱにある牧場には、水道や電気がありません。そのため、現状では馬にとっても人にとっても不便な部分がいろいろあります。
①馬たちにとって夏場は快適でない
馬は暑さにとても弱く、熱中症になると命の危険があります。しかし、電気が無く扇風機が回せないため、放牧場の馬小屋は、夏場はすこし過酷な環境となっています。
また夏場には蚊など馬にとってストレスを与える様々な虫が発生します。扇風機を回したり防虫照明を使えば、馬にたかる虫を減らすことも可能ですが、電気がなく現状ではできません。暑さだけでなく、虫を上手く防げない環境にも、改善の余地があります。
電気があれば扇風機の前で涼めます
②人にとって長い時間を過ごしにくい
現在、水道と下水道の通らない放牧場にはトイレがありません。また、電気も使えず、簡単な調理もできません。こうした状況もあって、長時間の滞在・牧場での調理・イベント開催にはいろいろと制約があります。
白雪牧場補完計画2021
このような課題を解決しながら、馬と人が過ごす上で牧場をよりよい場とするプロジェクトが白雪牧場補完計画2021です。このプロジェクトには、コンサルタントや大きな会社の参画はありませんが、自身で考え汗を流した上で、牧場の活動を支援してくれる人たちや、集落や地域の職人さんたちの力を結集して実行します。
白雪牧場補完計画の総工費は100万円。実行する内容と比べて総工費は少ないですが、百姓の工夫と人のつながりの総力を上げ