【はじめに】プロジェクトの概要
海ゴミ問題が深刻化しています。最近では、イベントとしてだけではなく、ダイビングやシュノーケルの時にビーチや海の中に落ちているゴミを自主的に拾う人もでてきました。ただ、まだまだクリーンアップを広げていく必要があります。今回のプロジェクトでは、ダイバーが普段のダイビングで行なう海中クリーンアップ活動をもっと促進させる仕組みを作ります。
【解決したい社会課題】ーどのような課題に対して取り組むのか
・海に入ってしまったゴミは海の生き物や人体に大きな影響を及ぼします。
海ゴミは、年間で478~1275万トンも流出しているといわれています。中でも、ペットボトルや、漁網、発砲スチロールなどのプラスチックが多くを占めています(出典:環境省ホームページ)。
このようなゴミを他の生き物と誤って食べてしまうケースがあります。実際に、クジラやウミガメなどのおなかの中から大量のプラスチックが発見されています。また、流された釣り具や漁網が生き物に絡まり、命を落とすケースもあります。このように、海ゴミは直接的に海の生き物に悪影響を与えます。
また、放置していくと、やがては微細なマイクロプラスチックになって、より小さな生き物への体内に入っていきます。プラスチックに含まれる添加物も生態系に大きな影響を及ぼすと考えられています。実際、プラスチックを多く取り込んでいる鳥の血中カルシウムの濃度が低下していることが報告されています。卵の殻が薄くなってしまうことで、出生率の低下や個体数の減少につながることも危惧されています(出典:環境NGOグリーンピースwebサイト)。
・生態系への悪影響を少しでも食い止めることができるのは、海に潜れるダイバーです!
こうした問題に対して世界中で取り組みが加速していて、海面に漂う浮遊ゴミを回収する「シービン」が注目されています。しかし、海底は一様ではなく、サンゴや生き物の棲みかになっているため、海底に沈んでしまったゴミについては、機械的に回収することが難しいとされています。
まだまだダイバーによるクリーンアップ活動は定着できていません!
事前に実施したアンケートの結果によると、約半数以上のダイバーが海中クリーンアップをしたことがないと回答しました。また、実施したことがある人でも、約4割の人が日頃のダイビングで継続してやっていないと答えています(インターネットアンケート、2021年6月実施、n=207)。
普段のダイビングでクリーンアップが浸透しにくい理由は?
ダイバー(経験者含む)を対象にしたアンケートの結果によれば、最も多かったのは「拾ったゴミをきちんと処理できない(捨てる場所がない)」という理由で、続いて「ダイビング中に使用できるゴミネットがない」という理由でした。そこで、こうした問題を解決するためにこのプロジェクトを立ち上げました。
海中クリーンアップを定着・拡散するために
①ダイビング専用の繰り返し使えるゴミネットが必要です。
海中で拾ったゴミを入れるため、野菜ネットなどにひもを付け、代用していることも見かけます。しかし、しっかり取り付けていないとダイビング中に流され、それ自体が海ゴミになるリスクがあります。
また、ダイビングでは、ダイバーの安全が最も重要です。普通のネットはゴミを拾うための工夫はされていません。海中では思考力や行動力が制限されるため、慣れていない人はうまくゴミを入れることができずに、注意が散漫になり、事故につながるリスクもあります。
②事前にダイ