はじめまして
私たちは渋谷区でダウン症のある子どもを育てているワーキングママ3人です。
世界中で広まっている【SDGs】について、障がいのある子どもを育てている私たちも、
何か貢献できたらと思い、この度クラウドファンディングに参加させていただきました。
【SDGs 10.国や人の不平等をなくそう】というテーマに基づいて、
ダウン症という「あまり身近にない世界」を、1人でも多くの子どもたちに正しく理解してもらえたら、大人になってからも障がいについての印象や行動が変わってくると思っています。
ダウン症のある子どもだけでなく、さまざまな障がいをもつ子どもがいる家庭では、子どもの成長とともに乗り越えて行かなければいけない壁が沢山あります。
その1つがきょうだいや周囲の子どもからの疑問に答えることです。
ナゼできないの?
ナゼおそいの?
ナゼはなせないの?
小さなときから、障がいのある子どもと一緒に過ごしたことがある子も、ない子も、一定の年齢になると「なぜあの子はわたしたちと違うのか?」という純粋な疑問が浮かんでくると思います。
そんな時、大人がどのように答えるか、それは、とても大切なことだと育児を通して学んできました。
知らないことは=こわいこと
知らないことは=おかしいこと
知らないことは=違いを嫌うこと
この連鎖をすこしでも少なくすることで、子どもたちが理解や思いやりを育むことにつながると思っています。
私たちはその第一歩として、今回支援していただいた資金を使って、
渋谷区内にある小学校、保育園、幼稚園、図書館、約130ヶ所へ「あいちゃんのひみつ」という、ダウン症のある子どものことを、そのお母さんがお話した絵本(取材・文は竹山美奈子さん、絵はえがしらみちこさん)を届け、ダウン症への理解を深めてもらおうと考えています。
「あいちゃんのひみつ」岩崎書店
著者 竹山美奈子 取材・文/えがしら みちこ 絵/玉井 邦夫 監修
https://www.iwasakishoten.co.jp/book/b497178.html
どのお母さんも、ダウン症のある子どもを保育園や幼稚園に通わせていくなかで、
まわりのお友だちや先生、ママ友、パパ友、地域の人々に、ダウン症についての説明を何回も何回も試行錯誤しながら続けてきました。
通常発達とは違い、とてもゆっくり成長していくダウン症は、年齢に応じて様々な「なぜ?」が、周囲からでてきます。
ダウン症のある子どもの周りにいるクラスメート、きょうだい、地域の子どもたち。
そして、ダウン症についての説明をする必要がある先生や、ママたち、パパたちをサポートしてくれる絵本だと思っています。
モデルとなったあいちゃんのママへのインタビュー
今回、絵本を寄付することに決め、あいちゃんのひみつのモデルとなった、あいちゃんのママ(小嶋友子さん)にお話を伺いました。
1.本を出そうと思ったきっかけは?
ある日、あいちゃんのお姉ちゃんがお友達から言われました。
妹ってダウン症だよね?
障がいあるよね?
うつるよね?と。。。
繊細なお姉ちゃんの、心が折れてしまわないか、あいちゃんのママは、とても心配したそうです。
ダウン症のことを正しく知らない大人は、子供に質問されても正しく答えられないのだと思ったそうです。
知らないから、障がい=病気と説明してしまう。
子供たちは、病気=風邪=うつると考えてしまう。
これはしっかりと伝えなければいけないと考えたそうです。
読み聞かせのボランティアをしていたあいちゃんのママは、
最初に出版されていた、自閉症をもっている「すずちゃんののうみそ」(岩崎書店)という絵本を子供たちに読みました。
子供たちの通学路には、
子供たちの騒ぎ声を聞くと追いかけてくる自閉症のおじさんがいました。
絵本で自閉症の説明を受けたことによって、
おじさんが追いかけてくるのは、子供たちが騒ぐことによって刺激を受けるからだという理由を知り、
子供たちは
「もっと早く聞きたかった」
「教えてくれれば、おじさんのお家のまえで騒がなかった」
と話してくれたそうです。
あいちゃんのママは、
絵本というものは、こんなにも子供たちの心のなかに、スッーーとはいってくるものなんだなあと思い、
福祉の授業を通して、ダウン症のことを話してみようと決めたそうです。
それが、「あいちゃんのひみつ」を作ったきっかけでした。
当時、6年生だったあいちゃんのお姉さんが絵を書いて紙芝居にして、元祖「あいちゃんのひみつ」を作ったそうです。
さらに、あいちゃんのママは、読み聞かせをするだけではなく、あいちゃんが普段感じている感覚を体験してもらうワークショップも開いたそうです。
子供た
ちに軍手を使っておりがみを折ってもらったり、大きい氷を口に入れて話をしてもらったりと、あいちゃんと同じ学年の子供たちに福祉の授業をしたそうです。
子供たちの反応は
「あいちゃんってこんな大変な思いをしてるんだねー」
「あいちゃんの言ってることをもう少しよく聞いてあげないとね」
といって、それ以降、お友達も増えていったそうです。
あいちゃんのママは今でも小学校で、様々な活動をされています。
2.昨年春に、絵本を出してからの周りの反響は?
あいちゃんのお友達が家によく遊びに来るようになりました。
一緒に宿題をしたり、友達が教えてくれたりと、理解が深まったと感じているそうです。
一番変わったと感じるのは、先生たちだったそうです。
先生たちのほうが、今までかまえていた部分があったようですが、以前よりリラックスして、あいちゃんとたくさんの交流をさせてくれるようになったそうです。
また、漢字の読み書きやお勉強というよりも、
あいちゃんにはお友達と交流したりすることのほうが、社会に出て大切なので、その経験を増やしてあげてほしいとお願いすると、
先生たちの様子や、気づきが生まれていて、変わっていってくれたそうです。
さらに、学年で教えることが決まっている漢字ではなく、あいちゃんが生活のなかでよく使う漢字、例えば、トイレを「流す」とい漢字だったり、横断歩道は「止まれ」という漢字など、あいちゃんが日常的によく使い、あいちゃんが関心のある内容を、関連づけて分かりやすく、教えてくれるようになったそうです。
そして、あいちゃんは人が大好きなので、大好きなアイドルグループの嵐は、5人全員の名前の漢字がかけるそうです。
そのように、興味があるところから教えてもらえるとすごく早く覚えます。
また、あいちゃんはお友達から教えてもらうと頑張れるようで、先生と一緒にお友達も、あいちゃんに対する教え方を、一緒になって考えてくれているそうです。
3.最後にあいちゃんのお母さんから一言お願いします
絵本の一番最後にある付録のページを、ぜひ読んでもらいたいです。ダウン症のポイントなので、参考書として使ってください!(笑)
私たちが叶えたいこと
およそ150年前イギリスのジョン・ラングドン・ダウン医師が遺伝子の異常を発見したことから50年ほど前にダウン症候群と呼ばれるようになりました。
21番目の染色体が3本あることから、毎年3月21日は「世界ダウン症の日」とされ、この日は世界中でさまざま活動が行われています。
その一環として、
世界ダウン症の日の3月21日は、
この「あいちゃんのひみつ」を小学校、保育園、幼稚園、ご家庭などで、お子様たちと一緒に読んでいただき、ダウン症のある子どもたちへの理解を深めてもらいたいと願っています。
※保育園での読み聞かせの様子
この経験を通して、色んな個性をもったお友だちがたくさんいるよ!ということを幼少期から知ることができれば、
子どもたちは「人をおもいやる」「誰かの助けになる」「相互社会」という感性をもって育つことができます。
日本の文化である「思いやり」を大切にした子どもたちが、
これからの未来に共生社会、インクルーシブな社会を築いていこうと、連鎖をつないでいってくれると信じています。
資金の用途
第1目標40万円
【内訳】
書籍費:約25万円
送料、お礼の品費用:約11万円
手数料:約4万円
実施スケジュール
4月上旬 本の購入
4月中旬 発送準備
4月下旬 本の贈答
5月下旬 活動報告メール配信
6月下旬 お礼のリターン品発送
<All-in方式で実施します。>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
リターンについて
ダウン症のあるキャラクター「ニポとなかまたち」のグッズと、ダウン症のある7才の男の子ニコちゃんが描いたイラストのグッズをお送りします。
ニポちゃんというキャラクターは、あいちゃんのひみつ同様、「ダウン症への正しい理解と受容を広めたい」という思いから生まれました。ニポちゃんには、2人のダウン症のお友だちがいます。ニーニャ、ピーブーです。
ニポとその仲間たちのデザインは、デザイナーのtamako☆(たまこ)さんが生み出しました。たまこさんもダウン症のあるお子さんのお母さんです。
今回は、このプロジェクトのリターンのために、オリジナルのデザインを作ってくださいました。
ニコちゃんのグッズも、ニポちゃんのグッズも、どちらも他では手にはいらない作品になります。
ぜひ、この機会にどうぞ!
本プロジェクトにおいて目標より多くのご支援を頂いた場合
①渋谷区内の認可外保育園などへの寄付先を増やす
②渋谷区内の病院や児童センターなどへ寄付先を増やす
③渋谷区近隣の区へ寄付先を増やす
一冊でも多く、子供たちの身近な本となるよう活動費用にさせていただきます!
自己紹介
■とびきり可愛い6才の一人娘がいます。
娘がうまれたとき、不思議な感覚があり「宇宙からきたナニカ、、?」
という言葉にならないものがありました。
それまで「普通」の生活が難しい、障がいをもっている為に困っている、という親戚・友人・知人が特におらず、
「何も思わず大人になり、何にも知らずに不自由なく暮らしてきた。」とハッとしました。
今、娘と娘のもつダウン症という透きとおるような個性と出会い、
悲しみより、
喜び∞のわが広がっていくことがわかりました。
宝物のような経験と時間。一つ一つをゆっくりと共にのり越えるうちに見せてくれた世界観です。
そんな幸運をよぶダウン症のある子どものことを、ゆたかな情景、確かな情報を基に、より広く伝える大切さを実感しています。
3人のメンバーは日常の合間を縫って、ほぼLINEメッセージの意見交換だけでページ掲載へ辿りつきました。
この活動から、私達自身もより強く「思いを広めたい!」と大きな刺激を受けています。
■2歳の頃からダウン症の妹を見てきた長女に、
ダウン症の赤ちゃんがお腹にできて悲しい両親の絵本を読みながら、
「あなたのお腹にダウン症の赤ちゃんができたらどう思う?」と聞くと、
「うれしいな、可愛いから!」
と答えています。
また、1歳の頃から一緒に育ってきた保育園の幼馴染は、ダウン症の次女の発達に応じた手作りのおもちゃを作ってくれます。
そんな風に、きょうだいや幼馴染と一緒に過ごしていきたいと思い、この春、遠くの支援学校ではなく、地域の小学校に進学することに決めました。
保育園で一緒に過ごしたお友達も、無意識に「なぜ?」と思っているかもしれません。
これから一緒に過ごす小学校のお友達もきっと思うことでしょう。
子どもたちが感じる「なぜ」に、自然と答えられる、それが絵本というものだと思います。
染色体の突然変異を分かりやすく教えるなんて難しいこと、それができるのが、この「あいちゃんのひみつ」です。
次女はお腹の中にいるころから地域の人たちに見守られて育ってきました。
イメージ先行のダウン症ではなく、いつも身近にいる、なんだか特徴のある子どもとして、これからも過ごしていきたいと考えております。
■1歳1ヶ月女の子
ダウン症の子が生まれたとき、真っ先に浮んだのは顔や身体的特徴のこと。
知的のことや発達のことなど何も知らなくて、ただ、ただ不安だった気持ちを覚えています。
毎日NICUに足を運び、手を握り頭を撫でていると看護師さんに「かわいいねー」「ママ来て喜んでるね」って言われるたびに、知らないから不安になる。知らないから怖くなるのだと感じました。
今回のプロジェクトでは、まだ私の知らない経験をもとに、先輩ママ達が熱い想いを持って取り組もうとしていることにとても心強く思い、参加させて頂きました。
ダウン症の子って笑顔が本当に最高なんです!
家族もみんな幸せなんです!
SDGsは誰一人取り残されてはいけない取り組みです。
差別をなくす、誰もが生きやすいインクルーシブな世の中になりますように。
子供たちに正しい知識をお伝えさせて下さい!ご支援よろしくお願い致します。
最後に
このたびは、私達のプロジェクトにご興味いただき誠にありがとうございます。
インクルーシブな地域を、渋谷区をはじめとし、いつか日本全国に広めていけたらもっとステキで素晴らしい国になると思っています。
ワーキングママの私たちは人にふれあい、話す機会が多いけれど、身近に相談したり悩んだりしているご家族はきっと沢山いらっしゃると思います。
「知っていると優しくなれる」
「身近にいると助け合える」
今回の活動をとおして、少しでもダウン症をもつお子さんご家族の助けになればとも思います。
皆さまの心温まるご支援をお願いいたします。