Z世代のウェブマガジン「elabo(エラボ)」のスタートアップ・プロジェクト

Z世代のウェブマガジン「elabo(エラボ)」のスタートアップ・プロジェクト
私たち「elabo(エラボ)」は、「カルチャー/アイデンティティ/ポリティクス」に関する記事をZ世代の視点から発信するウェブマガジンです。私たちelaboは若者が「考え、語り、選ぶ」ことのできる社会、未来を作りたいと本気で願い、活動しています。

る立場について考えさせられました。政治は将来を担う世代である若者への配慮をしているのかという疑問。
さらに根本的な問題として、私たち若者が日本の有権者割合のなかでマイノリティであることや、新卒一括採用などの就活システムのなかで、十分に意見を表明する機会すらも失っていることを自覚しました。

日本社会の若者が置かれた窮状についてマクロなレベルから説明すると、以下のようになると私たちは考えています。

政治と若者の関係を考えるうえで大きな問題となっているのは、10代後半から20代の若者が、人口比率全体のなかで少ないということが挙げられます。これはそのまま、有権者割合のなかでマイノリティであることに繋がります。この事実を背景に、若者は深刻な無力感を抱いており、政治において力を持つ主権者であるという意識や、社会のステークホルダーであるという意識を持てずにいることが予想されます。

図1──総務省による日本の人口ピラミッド
図2──総務省「国政選挙における年齢別投票率」

私たちは、若者世代をステークホルダーとした社会の構築を目指し、未来世代の立場、利害に注目して、就職活動のシステム、若者の貧困、SDGsに関連する政策に関する記事を作成しています。政治や諸制度を、若者に自分自身の問題として捉えてもらうため、また自分自身を主権者、ステークホルダーとして自覚してもらうために、マスメディアのような中立的視点からの報道ではなく、あえて若者目線のジャーナリズムを実践しています。

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若者の低投票率問題の背景には、私たち、若者の政治や社会に対する無関心と無力感が透かし見えます。この無関心には、カルチャー(文化)も深く関係していると私たち「elabo」は考えています。欧米諸国では、若者に身近なカルチャーが政治と不可分の関係を築き、特にアメリカでは、Z世代を中心にウェブメディアやTikTok、Instagramを介して若者が結束し、社会を変えるためのさまざまなアイデアが試みられています。
しかし日本では、カルチャーと政治を結びつけて捉える習慣自体が浸透していません。若者のカルチャーの多くは個々のファンダム内での消費活動に留まり、結束、連帯の場として機能していないという現実があります。

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私たちZ世代は、SNSやネット技術、情報環境が整った時代に生まれたデジタルネイティブ世代だといわれますが、だからこそ孤独とアイデンティティへの不安を抱えています。SNSで醸成される過剰な自意識と希薄な人間関係に苦しみ、メンタルヘルスに問題を抱える若者が多いといわれる理由のひとつです。実際に若者の自殺者数は上昇しており、コロナ禍においてさらに顕著になっています。

* 若者のメンタルヘルスとSNSとの関連については以下を参照
https://diamond.jp/articles/-/266726?page=2
https://www.jpc-net.jp/research/assets/pdf/R4attached.pdf

図3──「年齢階級別自殺者数の年次推移」(厚生労働省「令和2年中における自殺の状況」p.5)

Z世代のアイデンティティへの不安は、情報の洪水から身を守ろうとするための「自分らしさ」の探究の裏返しでもあります。世界の先進国の若者が共通して示すこの傾向は、ジェンダーやエスニシティなどのアイデンティティの問題から、社会問題に関心を向けていく若者の増加として顕在化していますが、私たちは、日本の若者の多くがこうした関心の芽を持ちながらも、行動