てながら、牛乳をいただいていますが、牧場は命の現場です。
生まれたての子牛と母牛
乳牛は出産をしてミルクを出し、何度かの出産を経るとお肉として出荷されます。新しい命が生まれる一方、長年一緒に過ごした牛を最期と知りながら送り出さなければいけない。
酪農家の喜びや葛藤に想いを馳せたことはあるでしょうか。
生きている間はミルクを人間に与えてくれ、排泄物は堆肥として私たちが食べる野菜・果物・米作りに利用されている。命が終わってしまっても、今度はお肉となって誰かの命を繋ぎます。
牛という動物のすごさを感じたことはあるでしょうか。
酪農を身近にしていると、すべての食べ物は命であり、これをいただくことで私たちは生きていけるんだということを強く感じます。食べ物を無駄にすることは命を無駄にすること。無駄にしていい命など、何ひとつとしてないこと。
こんな大切なことを、牛が生涯をかけて日々教えてくれているような気さえします。
みんなが美味しい牛乳を飲めるのは、美味しい乳製品を食べられるのには,そんな背景があります。
牧場で生まれ育った私でさえ、こんなにも気が付くのに時間がかかってしまいました。ただでさえ、生産現場と消費者が遠く、お互いが見えない業界。私が架け橋になりたい、牛が教えてくれる大切なことを伝えたいというのが私の一番の想いです。
伝えるためには、まずはお客様に来てもらわねば!と思いました。
高秀牧場ミルク工房
既に牧場らしい壮大で美しい景色と可愛い牛はそろっています。美味しいチーズもあります。
もっとたくさんの人に来てもらうために考えたのは、作りたてのジェラートを提供することです。
老若男女問わず幅広い世代が好きなジェラートと、嗜好性は強いが品質の高いチーズを2本柱にしました。
2016年、アイスクリーム製造、飲食店営業許可を取得し「高秀牧場ミルク工房」をオープンしました。
高秀牧場ミルク工房
ご来店いただいたお客様が、美味しい乳製品を食べられるのはもちろんですが、私の一番の想いである「知ってほしい、伝えたい」を実現するために、店内を牛で埋め尽くしました。どこを見ても牛が目に入るようにしています。
テラス席は放牧場に隣接し、のんびりと過ごす牛たちの姿を眺めながら、ジェラートや牛乳を味わえるようにしました。
なによりもこだわった牛の展示は、手描きで想いを込めて。
実は時々リニューアルしています。ジェラート片手に展示を見ながら、へえ~、牛ってこうなんだ、
そうだね、いただきます、ちゃんと言わないとね。と言葉を交わすお客様の会話を聞くのが何よりの生きがいです。
ジェラートやピザを食べ終わり、手を合わせてごちそうさまでした、を言ってくれるお客様に、日々、「伝わっている」と強く実感しています。
ジェラート作りへのこだわり
ジェラートは季節に合わせたレシピが100種以上!地元の農産物を使うことで、地元の農業も元気にしたいと思っています。ジェラートを始めてからは地元のお客様もたくさん来てくれるようになり、地域の住民に「牧場」を受け入れてもらえるようになりました。酪農体験への参加者も増え、たくさんの人に牛のことを伝えられるきっかけとなっています。
地域の農家さんや加工場から、新しい農産物の販売方法としてジェラートを作れないか?と声をかけていただくこともあります。
これまでのコラボ商品は
・いすみ市の酒蔵「木戸泉」の酒粕ジェラート
・御宿町「大地農園」オリジナルいちごジェラート
・市原市「市原みつばち牧場」蜂蜜ソフトクリーム
・木