<公害と出会い、向き合うための本>を出版したい

<公害と出会い、向き合うための本>を出版したい
「公害」という言葉を聴くと、何を連想するでしょうか? 公害は、過去完了形の出来事ではなく現在進行形であり、これからの私たちのいのちと暮らしの在り方にも大きくかかわります。そこで私たちは、<公害と出会い、向き合うための本>として『公害スタディーズ;悶え、哀しみ、闘い、語りつぐ』を刊行したいと考えます。

私たちは、各地の公害資料館や学校・大学で様々な方が公害と出会い、向き合う機会づくりを支援しています。今回のプロジェクトは、安藤聡彦・林美帆・丹野春香が中心となって実施することになりました。このページでは、私たちが取り組んでいる〈公害と出会い、向き合うための本〉づくりのご紹介と支援のお願いをさせていただきます。

<公害と出会い、向き合う>各地での学びや風景

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ー 〈公害と出会い、向き合うための本〉を出版する ー

私たちは、ひとりでも多くの方のご協力により、〈公害と出会い、向き合うための本〉である『公害スタディーズ;悶え、哀しみ、闘い、語りつぐ』を発刊したいと願っています。

「公害」という言葉を聴くと「昔の話」と感じられる方も少なくないでしょうが、それらの多くは決して既に解決された過去完了形の出来事ではなく、現在進行形であり、それゆえこれからの私たち自身のいのちと暮らしの在り方を左右する問題です。私たちは、公害の経験を決して忘れることがあってはならないし、これからも問い、考え、行動していくことが必要な課題であると考えています。

公害問題が全国各地で噴出した1960年代から70年代にかけては、数多くの公害問題の入門書や解説書が出版されましたが、今日ではそうした本を新刊書のコーナーで目にする機会が少なくなりました。でも、公害は過去の出来事であるとともに、現在そして未来にかかわる出来事であるからこそ、いまあらためて言わば現代の公害入門書が必要であると私たちは考えます。

この本は、多少なりとも公害にかかわる記憶のあるベテラン世代にはあらためて公害と出会うための本として読んでいただきたいですし、教科書の中でしか「公害」という言葉と出会ったことのない若い世代には新鮮な気持ちで広く読んでいただけることを願っています。

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ー 公害への社会的関心の減退とそれに抗う公害資料館の建設ー

ひるがえって現在「公害」という言葉を日々の暮らしのなかで目や耳にする機会が大幅に減ってきているのではないでしょうか?

公害問題についてたくさんの本が書かれていた1960年代から70年代にかけては、同時に連日のように「公害」という言葉がマスコミを賑わわせていましたが、とりわけ2000年代に入って日々の暮らしのなかで「公害」という言葉を見聞きする機会は減ってきました。私たちが「公害」をもっぱら過去のことのように感じる原因の一端は、こんなところにもあるのかもしれません。

注目すべきことは、あたかもこうした公害への社会的関心の減退に抗うかのように、全国各地で公害資料館と呼ばれる施設が誕生してきていることです。

・1976年:清流会館(イタイイタイ病対策協議会)
・1988年:水俣病歴史考証館(財団法人水俣病センター相思社)
・1993年:水俣市立水俣病資料館(水俣市)
・2000年:財団法人水島地域環境再生財団
・2001年:水俣病情報センター(環境省国立水俣病総合研究センター)
・2001年:尼崎南部再生研究室
・2001年:新潟県立環境と人間ふれあい館(新潟県)
・2002年:北九州市環境ミュージアム(北九州市)
・2002年:豊島のこころ資料館
・2005年:水俣学研究センター、水俣学現地研究センター(熊本学園大学)
・2006年:西淀川・公害と環境資料館(財団法人公害地域再生センター)
・2006年:足尾鉱毒事件田中正造記念館(NPO法人足尾鉱毒事件田中正造記念館)
・2007年