激減する収入。増える聴導犬&介助犬希望。コロナ乗越え、補助犬育成を継続したい

激減する収入。増える聴導犬&介助犬希望。コロナ乗越え、補助犬育成を継続したい
コロナ禍で7名の希望者様の訓練は制限され、老犬・引退犬10頭を含む約40頭の所属犬の育成費用(獣医療費は約350万円。フード代を含め育成費用は約850万円程度)にも不安な日々です。収入源だった講演会は、年間200回から8回に激減。先行きが見えない中でも、障がいのある方を支える補助犬育成を継続したい

や「聴導犬」から快適な生活と安全を得ている聴導犬ユーザーさん、「介助犬」の補助により自分らしい生活を得られている介助犬ユーザーさんたちの生活に支障がきたされます。

■ 「聴導犬」育成が滞ると、聴導犬に支えられているユーザーさんの生活はどう変わるのでしょう?
 例えば、「聴導犬」ユーザーである聴覚障がい者は、宅配の方がドアベルを押しても、そのドアベルの音が聞こえません。不在通知が投函され、宅急便は受け取れません。人によっては、「ドアを開けて家の中に入ってください」と貼り紙をされている場合もあります。多くの聴覚障がい者の方が、家にいるのに、何回も不在者通知が残っているような状況です。また、目覚まし時計の音を利用できず、会社に遅刻したり、緊急ファックスの受信音にも気づけません。部屋のどこかに置き忘れた携帯も探すことができず、生活では困ることばかりです。
 あまり知られていないことですが、「聴導犬」は生活の音を報せるだけでなく、ユーザーさんの命を守る大きな存在なのです。

▼聴導犬のいる時、いない時

■「介助犬」育成が滞った場合、ユーザーさんの生活はどう変わるでしょう?:
 介助犬と暮らすことで自立した生活ができているユーザーさんの毎日がつづけられなくなります。落とした物を拾ってもらうために、いちいち、家族や周りの人に頼まなくてはならなかったり、拾うのをあきらめることにもなります。
 介助犬と暮らすまでは、事前に家族や福祉の方たちに付き添ってもらうことで外出していた肢体障がいの方もいます。介助犬が同行することで「自分の好きな時に、好きなように出かけたり、行動できる」自分らしい生活が、介助犬がいなくなるとできなくなってしまうのです。例えば、近くのお店でちょっとした物、ジュースを買いに行きたくても、自分一人ではドアが開けられなかったり、エレベーターのスイッチを押すのが難しい方もいます。
 そのうえ、財布やカギを落としたら、どうしょうかと考えるだけで、外に出かけるのを躊躇してしまうこともあります。障がいのない人にはなにげない行動でも、障がいのある人は不安やとまどいを持つことが多いと聞きます。
▼介助犬でんちゃんがいる時、いない時

 補助犬貸与による「自立した生活」とは、何でしょう? 
 補助犬貸与の目的である「自立」した生き方とは、ほんのちょっとの買い物や、友達にふらりと会いに行ったり。近くのカフェでのお茶を飲むなど。行きたい時に、行きたい場所に、「行くかどうか」を自分で決める。そんな些細な積み重ねではないでしょうか? 「自立」とは、「就労」を意味する前に、「自分で選び」「自分で決める」という、自己選択と自己決定の積み重ねと言えるのではないでしょうか

■2020年4~6月で30%の減収。10月は半分以下。新型コロナウィルス感染症による減収とその影響

■みなさまのお力添えで、新型コロナに負けない「聴導犬」「介助犬」の育成を続けたい: 

 新型コロナウイルスのために、誰もが不安を抱え、制限された生活を過ごしています。不便さと孤独感を、世界中の人が感じています。 障がいのある方々が常日頃感じている不安と不自由さは、コロナ感染自粛により、さらに重く、深刻にのしかかっているのです。
 「盲導犬」と「聴導犬」「介助犬」の3種類の身体障がいのある人の補助をする特別に訓練された犬たちは、『身体障害者補助犬(以後:補助犬)』と総称されます。補助犬育成団体には、NPO団体やボランティア団体の他に、社会福祉法人、社団法人、財団などの公益法人があります。日本聴導犬協