隠れるコンパクトさを追求しました。
薄さは、名刺入れに必要な強度の限界点を探り、原厚2.2mm前後のものを革漉き屋さんで0.7mmまで薄く漉いてもらっています。
職人さんの手仕事かつ天然素材である点から、±0.2mm程度の誤差が生じますが、革4枚の重なりで理論上は2.8mmの薄さを実現しています。
よくある薄いアルミのカードケースと比べると、薄さがイメージできると思います。
入れる枚数が少ないほどフォルムが美しいので、少ない枚数での使用をおすすめしますが、一般的な名刺を20枚入れても、余裕でこのシルエットです。
大人数で集まることが想定できない最近の状況では、最低3枚、多くても10枚ほど入れておけば十分ではないでしょうか。
数枚程度の厚みなら、財布や手帳、書籍、iPadケースなどの隙間に、スッと挟んでおけます。
普段お使いの各バッグ・鞄に、スライドサムを1つずつ忍ばせておけば、いざという時に慌てることなく、出会いのチャンスも逃しません。
日本の皮革産業は、TPP(環太平洋パートナーシップ)協定により、関税措置廃止の影響を大きく受ける業界の一つです。
小さな事業者が多い産業なので、国際競争力に乏しく、海外からの輸入品が増えれば、国内の天然皮革産業は工芸品という形でしか生き残れなくなる可能性もあります。
業界で聞こえてくるのは諦めの声ばかりですが、日本の「モノづくりの魂」を、微力ながら私も諦めずに応援し、共に前へ進んで行きたい。
今回、日本の技術の高さを信じて「日本産」にこだわった開発と販売を続ける、異端の革屋さんの存在を知り、本プロジェクトへの協力を仰ぎました。
国産の本革とうたわれている革製品でも、海外から仕入れた原皮を日本で鞣したものが多いのですが、スライドサムに用いた革は、食の廃材として生じた日本の成牛の皮を原料としています。
“元タンナー”という異色の経歴の革屋さんが、兵庫県たつの市のタンナーさんと協力し、独自の手法(非公開)で鞣している“植物タンニン鞣し革”です。
植物タンニンを贅沢に使用することで、革の繊維が詰まり、ハリとコシが生まれます。
さらに吟スリ・オイルワックスによりヴィンテージ感を醸し出し、そこに職人さんの手で一枚一枚繊細にヘアライン加工(単一方向に細い傷をつける加工法のこと)を施しています。
革に刻まれた独創的な美しいラインは、ハイセンスで、実にスタイリッシュ。
革にはオイルワックスをじっくりと染み込ませてあるため、使いだすと次第に馴染み、ツヤや焦げ付きが出て、独特なエイジングが楽しめる逸品です。
ぜひお手にとって、日本の革の美しさ・心地よさを堪能していただき、革と共に味わいのある年月を過ごしていただけたら嬉しいです。
名刺入れの素材に「本革」をオススメする理由は、一番は手触りの良さであり、次いで上質な見た目、丈夫で長く使え、同じものが2つとない個性があり、エイジングが楽しめる…などの利点がたくさんあるからです。
しかし、天然素材であるが故に水濡れに弱く、ジャブジャブ洗って汚れを落とせない難点などもあります。(革専用のクリーナーで優しくケアしたり、防水スプレーなどで汚れを防いだりすることはできます。)
そこで、革の風合いを損ねずに加工を施してくれる専門会社を探し、革表面に抗菌コーティングをしてもらっています。
抗菌コーティングの効果は?
例えば、少量の菌でも食中毒を発症する「サルモネラ菌」(潜伏期間が約6〜72時間、犬や猫などのペットから感染することもある)の生産菌を接種した場合