はじめに・ご挨拶
初めまして、宮崎恭一と申します。
皆さんはコロナ禍の中どうお過ごしでしょうか?
私は菅乃廣監督と組んでタブー視されてきた田山花袋「蒲団」の映像化に挑戦したいという夢を抱いてました!
皆様のお力をお借りして女優の輝いてる姿を一緒に作りませんか?
●このプロジェクトで実現したいこと
「性」を露骨に描いて永い間タブー視されてきた日本の文豪、田山花袋「蒲団」
菅乃廣監督は、私小説では、作家と主人公が同一視され、作品が作家の主観的吐露になる、という世界観を持っており、「蒲団」を下敷きに「Yo-in」というオリジナル脚本を完成させました。題材の表現に欠かせない女優の立花なおみと、深崎ゆずきの体当たり演技に挑戦することになり、多数の映像化希望の声に答え、「Yo-in」の映画を製作します!
●「Yo-in」あらすじ
「私の衣装が靴だけって・・・・どういうことでしょうか?」
MICHIYOは、テーブルに置かれた真っ赤なハイヒールを戸惑いながら眺めいていた。
演出家の『彼』が、説明を続ける。
「横山芳子役の君には、舞台の本番では全裸になってもらいたい。私は、今回の演劇を、竹中時雄の目線で演出したいんだ。時雄は常に横山芳子を、性欲の対象として見ている。横山芳子は服を着ていても、時雄の頭の中では常に全裸なんだよ」
演出家の『彼』は、あたためていたプランをMICHIYOに打ち明けた。
初めての芝居で全裸・・・そんな話は聞いていない。芝居には出たいが・・・・戸惑うMICHIYOは、「横山芳子役をやるかどうか、考えさせてください・・・」と結論を先送りした。
今回の芝居の原作は、田山花袋の私小説『蒲団』。日本の自然主義文学の代表作で、その内容の衝撃さに、日本文学界に多大な影響を与えた作品だ。
ストーリーは、小説家である竹中時雄のもとに、横山芳子という美人女学生が弟子入りするところから始まる。下心を抱いた時雄は、芳子を自宅二階に下宿させるが、妻子持ちの時雄は、芳子と関係を結ぶことは許されず悶々とした日々を過ごす。やがて芳子に若い男の存在がいることを知ると嫉妬に狂い、芳子を追い出してしまう。そして時雄は、残された芳子の夜着の匂いをかぐ・・・という内容だ。
キモイ男の悲哀しか感じない作品だが、脚本も担当する演出家の『彼』には、斬新な演出プランがあるという・・・このキモイ話がどんなアートに生まれ変わるのだろうか・・・そして舞台で全裸になった自分が作品に花を添える・・・脚本はまだ執筆中。裸体をさらす相手となる竹中時雄役が誰なのかも、まだ聞いてはいなかった。どんな素敵な人が演じるのだろうか・・・MICHIYOは、体がほてってくるのを自覚した。
メールの着信。演出家の『彼』からだ。文面をみたMICHIYOは、その内容を疑った。
『君の裸を思い描きながら書いているうちに抱きたくなってきた』
高揚していた気分が、一気に覚めていくMICHIYO・・・何なの、このメールは・・・。
『どういう意味ですか?』と返すと、すぐに『ゴメン、書いているうちに変な気分になっちゃって』と返事がきた。
まさかこの人が、私の相手役? 不安と嫌悪が心の中で膨らんでいく・・・。
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私小説では、作家と主人公が同一視され、作品が作家の主観的吐露になっていく。そして、脚本家と俳優を兼ねる作家は、たえず文学を演じていなくてはならない・・・。