原発事故からの10年。福島の写真集「Blue Persimmons」を出版します

原発事故からの10年。福島の写真集「Blue Persimmons」を出版します
原発事故の見えない被害、福島での分断を撮影してきたプロジェクト。2011年から10年かけて撮影し、写真集として出版します。出版は決定しておりますが、その費用の一部のご支援をよろしくお願いします。

<はじめに>

こんにちは、写真家の岩波友紀です。主に写真によるドキュメンタリー作品を作っています。ドキュメンタリーなのに美しく、アートのようで社会的意味を持つ作品。そういったドキュメンタリーとアートの狭間を行く作品を目指しています。

11年間、大手新聞社のカメラマンとして、取材と撮影を学びつつ第一線で働いてきました。2011年に東日本大震災が起きたあと、東北、特に福島の撮影を続けたいと思い、会社を辞め福島に移住しひとりの人間として撮影を続けてきました。

現在は会津地方の古民家に住み、古い家を改修しながら妻と娘2人と暮らしています。田舎に住みながら写真家として発表し続けられるよう頑張っています。

<このプロジェクトについて>

10年前に福島で起こったことは、多くの人の記憶にあると思います。巨大津波があり、それにより原発事故が起こりました。放射能汚染によって福島は困難な道を歩むことになります。震災から10年が経ちますが、汚染によっていまだに立ち入りが制限されている土地があり、故郷に帰れない人たちもたくさんいます。それだけでなく、目に見えない放射能により目に見えない被害や問題が福島では存在しています。

「Blue Persimmons」シリーズより

私は福島に移住し、この「Blue Persimmons」(日本語で「青い柿」の意味)という写真プロジェクトを継続してきました。

風景(ランドスケープ)と人(ポートレート)の写真からなるこのシリーズは、原発事故によって分断された人と土地、人と人との関係を表しています。また目に見えない放射能の本当の被害は、目に見えない人の心にあることも表しています。そして葛藤を抱えながらも、この地で生きていくことを表現しています。福島に移住した写真家が、それによって気づいた原発事故後の福島を表現した写真作品です。

この「Blue Persimmons ー青い柿ー 」の写真集を発刊するための支援を募集します。

「Blue Persimmons」シリーズより

「Blue Persimmons」シリーズより

「Blue Persimmons」シリーズより

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「Blue Persimmons」のステートメントです

このシリーズは、見えない放射能によって分断された福島の人と土地、人と人との関係を表し、福島の人の心に刻まれた見えない被害を捉えたものである。

2011年、福島第一原発は放射性物質を撒き散らした。多くの住民が避難し今でも立ち入れない土地がある。

美しい福島の大地を知っていた私は、故郷の喪失と目には見えない放射能の被害を可視化しようと、福島の風景を記録していった。事故から3年後に私は福島に移住することで、居住者として福島を撮影することになり、別のことに気づいた。普通の生活を送っているように見える人たちの心にも、不安が常につきまとっていた。それこそが目には見えない被害だったのだ。

福島では物理的に境界線が引かれ、土地と人間とが分断された。地方では、土地と人は密接に関係している。避難区域でなくても、汚染された神聖な土地と人は分断されてしまったのだ。そして、物理的だけでなく精神的な分断が起こっていた。経験のない放射能の影響に対して正反対の情報が流れ右往左往する。避難区域の境に境界線が引かれ、立場の違いや考え方の違いで友人が心通わない人に変わった。

見えない放射能と、福島の人の心に刻まれた見えない被害。土