教材としての折紙
御覧いただき、ありがとうございます。
私は、勝川東(かつかわひがし)と申します。
東京大学法学部を卒業、来月から社会人です。
大学では、東大折紙サークルOristに所属し、
折紙創作を楽しんでいました。
リーフィーシードラゴン
今回の前提として、「教材としての折紙」に、私は注目しています。
科学、技術、工学、芸術、数学を通じて、
知識を詰め込むのではなく、
能動性、創造性、課題解決能力などの、
非認知能力を養うことを目的としています。
折紙はその教材として抜群、というのが私の考えです。
綺麗に折ること、見本と比べること、手順を踏むこと、
その意味を考えて工夫すること、最後までやること、
こうした中で、知識よりも大事な、非認知能力が体得されます。
また、「指で紙に触れる」ことも侮れません。
幼児から高齢者まで、生涯木に触れ、学ぶ、
『木育』ということも言われていますが、
折紙にも同様の意義があると言えます。
これらの意義が広まるためには、
大人も子供も、折紙を楽しみながら、
その奥深さを体感する必要があると考え、
プロダクト
プロダクトの内容は、以下の通りです。
①「展開図」がデザインされた折紙
(暫定、17.5cm角、20枚、300円)
②「鶴」「象」「エンゼルフィッシュ」の折り方
これらのパッケージなのですが、その詳細に移る前に、
「展開図」とはなにか、ご説明します。
簡単に言うと、完成した折紙を開いて、
紙についている折り線のことです。
赤が山折り、青が谷折りです。
正確にはこれは「鶴の基本形」の展開図です。
展開図とはなにか、お分かりいただけたかと思います。
このプロダクトは、折紙の奥深さへの導入として、
「展開図」に触れてもらうことを、目的の一つとしています。
それでは、詳細を見ていきましょう。
①展開図のデザイン
なぜ、「鶴の展開図」をデザインするのか。
それは、この模様が、普遍的だからです。
どういうことかというと、「鶴」は、
22.5°=正方形の角の1/4の角度
を元にしてできている作品です。
②の「象」「エンゼルフィッシュ」も、
折り方は違いますが、22.5°を基調にしています。
するとどうなるか。
「鶴の展開図」の模様が活きて
くるのです。
以下は「象」の折筋をつける工程なのですが、
フチを模様に合わせることで、折筋がつきます。
また、下の方で写真を見ていただければと思いますが、
完成した作品に現れる模様、綺麗じゃないでしょうか?
これも、作品の造形が22.5度を基調としていることで、
角度の一致が、造形と模様の調和を生むのです。
この角度の話が、「数学」であることはお気づきでしょう。
また、上手に作るプロセスは、「工学」そのものですし、
完成形の美しさを見て取ることは、「芸術」です。
更に、モチーフの生物や、他には紙飛行機など、
それらを突き詰めていけば、「科学」です。
さて、『STEAM』に至りそうですね。
Technologyはどこかって?
最後にご説明いたしますね。
②3つの作品の折り方
プロダクトの話の途中でしたね。
今回、以下のような図で、作品の折り方を掲載します。
以下、個別の詳細です。
・鶴
言わずと知れた、伝承作品ですね。
今回は、上記のGIFのような、
「展開図折り」の折り方をご紹介します。
・象
鶴の10倍難しい作品で、大人も楽しめます。
私が講習会をしていた時、人気の作品でした。
目の前で折って見せれば、できる人は多いですが、
これが自力でできる方は、折紙が得意といえるでしょう。
創作者は私ではなく、Oristの同期だった、『笹だんご』さんです。
・エンゼルフィッシュ
かわいい見た目ですが、こちらも簡単ではありません。
模様が上下対称で、ヒレが22.5°だと分かると思います。
『折り紙王子』こと『有澤悠河』さんの作品です。
以上の3つの折り方を掲載します。
できたときの喜びは、かなりのものですよ?
竹紙
今回の挑戦を思い立ったのは、
このプロダクトとの出会いが大きいです。
『MEETS TAKEGAMI』さんの
『TAKEGAMI ORIGAMI』というものです。
こちらは、竹が原料の紙に、美しいデザインを施し、
里山の生き物などをモチーフとすることで、
放置竹林や、里山の生物多様性という、
この「竹紙」は普通の紙よりハリがあるのと、
素材の色や、折り心地がとても温かいです。
理念、質感共に、これ以上の素材は無いでしょう。
プロダクト誕生まで
この半年、色ん
な人に折紙を広めてきました。
こちらは2月に、屋久島で教えたときのものです。
地元柏市では、3週間もの講習イベントをしていました。
その時に作成したチラシがこちらです。
ご覧の通り、これがプロダクトの原型です。
このチラシも、折ることを想定して裁断し、
講習会では、実際にこのチラシで、
象やエンゼルフィッシュを折っていました。
その時に以下のことに気づきました。
・模様に沿うと折りやすい
・鶴以外にも、模様が活きる作品がある
・単に、この模様は美しい
・自然と「展開図」を知れる
講習会に参加してくれた、大半は大人でした。
皆さん、本当に折紙を楽しんでくれました。
それなら、こんなプロダクトがあって、
大人も子供も、折紙の世界の一端に触れてくれれば、
折紙は幼稚な遊びだという、
社会の認識が変わるのではないか。
そうして「教材」としての折紙が注目され、
STEAM教育が目する、本質的な力が広がり、
旧時代的な作業や勉強は淘汰され、
社会が変わっていくのではないか。
目標額の内訳
・用紙、印刷、裁断、包装等:15万円強
・『象』『エンゼルフィッシュ』の創作者への権利料:2万円
・リターンの送料:1万円弱
・CAMPFIRE掲載手数料:2万円強
メディア掲載
私は、半年前にサークルから出版した、
『東大折紙』の製作を主導していました。
その件で、後に記事にしていただきました。
この本も、「展開図」にフォーカスした斬新なもので、
出典:『読売新聞』
また、柏駅前での3週間のイベントも、
地元紙に取り上げていただきました。
「折紙とSTEAM教育」について、
再度掲載していただく予定です。
出典:『柏市民新聞』
また今月末、地元の共同アトリエで、
個展を開かせていただきます。
僕の学生生活の、もう一つの集大成です。
リターンについて
今回、晴れて完成した際には、ご支援いただいた方には、
完成品を1パッケージ(20枚)、お送りいたします。
加えて、私の作品を贈らせていただきます。
私が出せる価値、生める喜びと言えば、
やっぱり折紙しかありません。
ちなみに私は以前、以下の『オカピ』を、
2万円で買っていただいたことがあります。
以下、個別のリターンについてです。
折
角なので、ここでは展開図でご紹介します。
・2500円:猫
図の折り線の通りに畳んでから、
かわいく仕上げるのが難しい作品です。
・2500円:ドラゴン
鶴からできるドラゴンです。
鶴の基本形が見つかるでしょうか?
尚この展開図は、構造を大まかに示したものです。
・3000円:ダブルテールベタ
これは、22.5°ではなく、30°がベースの作品です。
実は4隅の余白は、切り落としても問題ありません。
こちらも大まかな展開図です。
・3000円:『東大折紙』、ティラノサウルス
書籍とセットなので、ティラノサウルスは1000円相当です。
この作品も、鶴からできています。
個展のビラは、これがベースです。
・4000円:ヘラクレスオオカブト
この構造は、鶴の基本形が4つなので、
「4鶴」と呼ばれます。
折紙も基本の積み重ね、ということです。
この線で畳んでから、足などを細くしていきます。
・4500円:エボシカメレオン
複雑になってきました。
左上に鶴が2羽、見つかるでしょうか?
そこが顔で、鶴の背中が目にあたります。
・モンハナシャコ
私の代表作です。
こちらも左上に鶴が2羽、見つかるでしょうか?
40cm角の、表が緑、裏が赤の紙を作るところから、
糊を入れ、ニスを塗って完成するまで、
折り慣れている私でも、15時間ほどかかります。
終わりに
最後まで見ていただき、ありがとうございました。
今、あなたの折紙の認識が変わったのなら、
この折紙の世界を面白いと思ってくれたなら、
私は嬉しいです。
「T」はどこか、まだ言っていませんでしたね。
もちろん、高度な折紙や、工学的な話をすれば、
テクノロジーは大いに関係しますが、ここでは割愛します。
子供とスマホの関係で悩む方は多いと思います。
大人でも、デジタルデトックスの必要とされる社会です。
折紙は、「紙」と「手」で完結します。
現代において、それこそ最大の価値ではないでしょうか?
たい焼きの包み紙で、カメレオンを折ってあげたら、
「歩く3Dプリンター」だと言われました。
「紙」と「手」だけで、こんなにも楽しく、
そして誰かを驚かせ、喜ばせられる。
折紙の力は、凄まじいですよ。
<All-or-Nothing方式の場合>
本プロ
ジェクトはAll-or-Nothing方式で実施します。目標金額に満たない場合、計画の実行及びリターンのお届けはございません。