創業者と焼麺劔
2011年1月、東京高田馬場に開店した「焼麺 劔(つるぎ)」
店主の星剣馬(ほし けんま)が、北海道旭川発祥の「梅光軒」にて修行を積み、全国や海外の出店に尽力した後、自身が勉強、研究を重ねてきたこと、独自のアイデア力がどこまで通用するか挑戦する為独立を決意し、開店に至ったお店です。
店主は努力家であり勉強家であり才能溢れる人でした。中学時代は、地域マラソンでは常に1位。高校卒業後はロサンゼルスカレッジに入学。
飲食店でアルバイトをしながら語学を学び、英語だけではなく中国語やスペイン語も習得。ハリウッド古着有名店ではバイヤ-を担当し、ダンスで有名アーティストのPVに出演したことも。
帰国後は、ラーメン以外の分野では実家の稼業である洗剤の研究にも携わり、ヒット商品の開発をしたりと多才な活躍がありましたが、その裏にはいつも努力があった人でした。
1ジャンルに捉われず、何事にも納得いくまで妥協しない探求心が『焼麺 劔』をこの世に生んだのです。
「焼麺 劔」のラーメン
そんな店主が努力と勉強を重ね考案したのは、
「焼麺×ベジポタスープ」
ピンときませんよね???
こんな感じです。
まずは完成品。
カリッ&モチッの食感のある麺にとろみがあり濃厚だけど最後まで飲めちゃうスープ。
その作り方が斬新です。
茹であがった極太麺を鉄板で焼きます。
ただ焼くのではなく片面をラードで焼麺を香ばしく、仕上げに蒸し焼きにして半面をモッチリとした食感にするのです。
スープのとろみの秘密の一つは男爵芋。豚骨魚介にその他野菜もふんだんに使いポタージュ系のまろやかな味わいを生み出しています。
トッピングのチャーシュー。豚バラなのに油っこさを感じない。これには理由が、、、考えつかない製法ですがこれは秘密にさせてください。
そう、拘ってるのでご提供までに時間がかかるのが難点。でも、味変に使える鰹節と魚粉をすり鉢でご自身で擦りながらお待ち頂いております。
ラーメン屋で目玉焼きトッピングなんて聞いたことあります??
これが合うんです。
ここまで聞くと奇をてらった「変わりラーメン」??
いえ、初めこそ珍しがられてご来店頂いた方も多くはいらっしゃいますでしょうが、確実にファンを付けて参りました。
■食べログの評価
■激戦区!頂上めしGP第3位
https://www.tbs.co.jp/program/choujoumeshiGP_20170404.html
コロナとの戦い
皆様に愛されこれまでやってきた「焼麺 劔」ですが、外食産業に大きな打撃を与えたコロナの波に例外なく飲まれてしまうことになりました。高田馬場はご存知のように学生の街。授業はオンラインとなり街から学生は消え、遠方から来てくださるファンの方々の足も遠のいてしまいました。
こんな苦しい状況の中でも、才能豊かな店主は組織を強くする充電期間として割り切り、高田馬場店を臨時休業と決断しました。2号店として構えていた彼の地元にある埼玉県三郷市の店舗をテイクアウトニーズに対応した「唐揚げ専門店」にリニューアルのチャレンジをし、この波の中で次の展開を模索していた最中のことでした。
創業者であり店主である星剣馬は、不慮の事故で亡くなってしまいました。
43歳という若さでした。
世の中が正常化された際には、高田馬場でまたファンの皆様と顔を合わせることを待ち望んでいたであ