見逃せない夢がある~地方に住む子どもたちに本格的な舞台公演を~

見逃せない夢がある~地方に住む子どもたちに本格的な舞台公演を~
わたしたちは、石川県加賀市という人口6万6千人のまちで、地元の小学生から高校生の団員が所属、活動しているミュージカル劇団です。田舎に暮らす子、都会で暮らす子、どこで生まれても、自分たちが育った地域で夢へ向かっていけるように!

【どこで生まれても、どんなところで育っても】
●埋められない格差

インターネットが普及し、世界中どこにいても情報を共有できるようになりました。また、日本中どこにいても同じコンビニエンスストア、フランチャイズチェーンの飲食店等が並び、都会であっても地方であっても同じサービスが受けられるようになりました。

しかし、地域によってどうしても変わらない、埋められない格差のある分野があります。「文化教養の格差」が、その大きなひとつです。
●文化芸術に触れるチャンス

都会でしか開催しないライブや、お芝居は珍しくありません。東京では身近な歌舞伎や演劇も地方では観たことがない人も多いです。

演劇等を通して学ぶ文化教養は、大人でも馴染みのないという地域があり、そういった地域では、文化的教養はひどく遅れてしまっているのが現状です。

地方でも小学校で何年かに1度、プロ劇団の公演を観劇する機会があります。

これは文化庁が昭和25年度以後に、舞台芸術を感じられる機会の少なさを危惧し、また芸術に関する教育の充実を図るために地方へも巡業を始めたことが今でも続いているのです。このような機会を国が作ってくれたことはとてもありがたく、それだけ舞台芸術が子ども達の教育にとって大切だということでもあります。

生の舞台でしか感じられない迫力、役者の息づかいや汗、音楽の振動。

そのような映画やドラマでは味わえない熱量を感じた子ども達の中には、自分もあんな風になりたい!演じることをしてみたい!と思う子がいても不思議ではありません。
●夢を逃がしてしまう時

スポーツに関しては地方にもいろいろな競技のクラブチームが増えているのですが、舞台芸術となると途端にその機会はなくなります。舞台芸術を経験している大人の人数が圧倒的に少ないため、教える人もいませんし、知識や情報を持った人もいません。

舞台について、幼少の頃に小学校で観劇しただけ、という大人がほとんどでは、子どものやりたい事にアドバイスもできず、周りにサポートをうけるような体制もありません。また、全く知らない事をやってみたいということから、舞台に立ちたいという夢を笑われてしまったり、最初から無理だと言われてしまうこともあります。

野球やサッカーでプロを目指す子がいるように、舞台に立つ夢を見つけた子がいても、その夢に向かって努力する機会が1度もないまま、無理なんだろうと思いあきらめてしまう事や、才能を生かせるものに出会う事すらない現状は、子ども達の夢やチャンスを逃がしてしまっていると感じます。
●都会の子ども、田舎の子ども

都会で育つこと、田舎で育つこと…の違いは様々です。自然の中でのびのびと育つ事は田舎特有のメリットで、良いところも沢山あり、田舎に生まれたから不幸ということではもちろんありません。

文化教養の面で、特に舞台や芝居の世界への教養面の格差がとても大きいこと、そのことが重要視されていない社会に、どうしても疑問を持ってしまうのです。

【なぜミュージカルなのか】
●はじめまして

わたしたちは、石川県加賀市という人口6万6千人のまちで、地元の小学生から高校生の団員が所属、活動しているミュージカル劇団です。2011年に立ち上げ、児童劇団【大きな夢】サポートのもと、ミュージカルの基礎を学び、2013年から毎年ミュージカル公演を開催しています。
●ミュージカルは総合芸術

わたしたちはミュージカル俳優を育てるために、この団体を立ち上げたのではありません。文化芸術に触れる機会があまりにも少ない加賀市。この地域で子ども