はじめに
はじめまして。奥田拓也(おくだたくや)といいます。
東京都東久留米市にある「児童発達支援・放課後等デイサービス ハビリテート」を運営している理学療法士です。普段はInstagramを中心に子育てや小児リハビリに関する情報発信をしている2児の父でもあります。
今回のプロジェクトに目を止めていただき、ありがとうございます。
解決したい社会課題
僕が解決したい課題は2つあります。
1つ目は「発達に遅れがあっても、診断が付かないため経過観察になり、不安を抱えながら成長を見守っている親御さんが多い。」ということ。
スマホが普及し、SNSやインターネットに情報が溢れ、検索をしすぎるあまり余計に不安が強くなるという方も多いのではないでしょうか。
しかしながら、専門家の意見よりもSNSやインターネット上の「誰か」が発信した情報の方が効果も高い場合すらあります。発達が遅れているのに経過観察になったら医療に不信感抱きますよね。
既存の発達評価方法では早期発見が難しいケースが増え、小児リハビリを提供できる施設・スタッフも少ないことから、経過観察になってしまう子がいます。
早期介入できれば、早期改善が見込めることも、難渋せずに済むこともあるかもしれないのに、携われるスタッフが少ないというのは、とても残念なことです。
どのように医療機関や行政、療育施設につながっていけるのかという手引きも必要です。
2つ目は「医療・保育・教育が、それぞれの専門性で発達の遅れがある・障がいがある子への支援をしていて、連携が取れていない。」ということ。
超極端な例ですが「脳性麻痺5歳、てんかんあり。夜間はNPPV使用。摂食嚥下は難しく胃瘻。簡単なコミュニケーションは可能で独歩も可能だが、長距離移動は車椅子使用。」という子がいたとして、
・脳性麻痺⇒運動・知的な発達に遅れがあるかもしれない。
・てんかん⇒発作が起こる可能性があり、転倒に注意。薬で治す知識も必要。
・NPPV(非侵襲的人工呼吸器)使用⇒人工呼吸器の知識が必要。
・胃瘻増設⇒経管栄養などの知識や医療的ケアが必要。
・車椅子使用⇒車椅子作製や調整についての知識が必要。
というように、「医学・薬学・医療デバイス・教育・運動知的発達・補装具等の知識がある専門家」のサポートが必要になります(親御さんたちは医療者でなくても一手に担わなければならないことになります)。
こういった子が小学校へ入学するに当たり、普通学校側はここまでの職員配置は難しく、インクルーシブ教育に移行させるためには国や行政の大きなバックアップが必須になります。ですが、実際にはほとんど支援が行き届いておらず、特別支援学校等の現場ですら双方困っている状態にあり、個々の専門家がそれぞれ努力をされています。
インクルーシブ教育が整った現場というのは超プロフェッショナルの専門家集団なわけですよね。
この2つの課題には「職域を越えて多職種連携すれば解決できることがたくさんある」という共通点があります。もちろん、学校に医療者がいれば授業を受けながらも経管栄養や吸引等の医療的ケアが可能で、医療現場に学校教諭がいれば入院していても授業を受けることができます。
実際現場に全ての職種が集まれなくても、医療や教育・保育の専門家たちが知識を共有しながら、個別に支援の計画を立ててアプローチできれば、インクルーシブな関わり方ができ、より症状を早期に軽減させることも可能だと考えられます。
プロジェクトを通して、早期発見・早期介入・早期改善が見込める症状