り着いた製法が「高温山廃一段仕込」という大変!な独創的な製法。
通常の三段仕込で造るよりも遥かに手間がかかり、酸味と甘味を大幅に引き出す他に類を見ない希少なオリジナルの酒造りです。試行錯誤の年を重ね、他にない個性、長期熟成向きの濃醇ながら軽やかな酸を持つ日本酒らしからぬ日本酒誕生へ。
結果のすぐ出ない熟成への取組みは、三世代紡ぎ完成の域へ、後のAFS誕生へと繋がるのです。
AFSとは?
ちょっと日本酒らしくない名「AFS」アフス、これはかつて製法開発に尽力した3人の頭文字を記念に残したもの。
彼らの思いは、天然菌が自然に活躍できる環境にする事で、(当時多かった)添加物や農薬、化学肥料を一切使用せず健康に飲めること。飲み手重視に手間暇惜しまない「旨き良き酒造り」のポリシーは、今も大切に守られています。
先々代・先代からまた未来へ、古酒とその思いは長い時間の中で引き継がれていく偉業。小規模な造りで忠実に受け継がれる物語は、稀少な価値に溢れています。
古酒と比較的近年の酒を、アッサンブラージュ(ブレンド)しバランスを整えた作品がAFSです。
格付ボルドーワインのように、異なる酒質の酒を最良のアッサンブラージュで調和させる作品・AFS。味わいを整える事で蔵のスタイルを守る事に繋がっている、オールドヴィンテージが豊富だからこそできる手法です。
GRAND AFS 誕生へ
今AFSのラインナップには人気ゆえ様々なタイプが用意され、少量手頃なものも楽しめます。だからこそ、トップ・オブ AFSを形にしておくことが、今後の軸として必要に思いました。
70年代のしっかり長期の熟成期間を経た選りすぐりの原酒、それを活かす補佐役のアッサンブラージュ、どの角度からも満足感高い完成度へ、買い手でもセラーで熟成できる720mlボトル。こんなコンセプトで、至高のAFS企画を進めて参りました。
GRAND AFSが示す日本酒の未来像へ、こだわりの孤高蔵こそパイオニアにふさわしいと思っております。
異次元異端の味わい?
新酒の日本酒は繊細フレッシュな味わい、素材を生かす軽めな味付けとよく合います。現代の我々の食事は、洋食や中華も肉料理もよくいただきますね。そんな力強い料理に、同じ食中主体の醸造酒・ワインでは、強い料理に負けない赤ワインで合わせやすいでしょう。
日本酒では?・・
食中酒として素晴らしい日本酒は、料理とのバランスや相性にもっと幅を持てると、シーンごとに一層美味しく楽しめます。力強い料理と相乗できる旨さ、アミノ酸豊富な熟成タイプの良さです。また食後酒として、少量でじっくりとゆっくりと愉しむ濃淳な味わいは向いています。
特にこのGRAND AFSの特徴は、綺麗に際立つ酸とパワフルな濃醇テイスト。飲み心地よい気楽さと、深みある旨味が同居する珍しいタイプの日本酒新感覚です。
上質な熟成白ワインで肉料理をいただくように、こんな体験・シーンができる日本酒を完成させたかったのです。
美しく深いアンバーなテリのある赤褐色。香りは独特の甘い香りでバニラ香が香ばしい。非常に飲みやすく、爽やかな酸がフィニッシュまで。酸と甘みは、ブランデーやウイスキーに近しいイメージ。甘みある乳酸を感じる濃縮で軽やかな酸味が独特の個性。後の柔らかい余韻が大変長く、濃厚さと軽やかさを同時に持つ日本酒の異次元です。
気楽に付き合えて深みも持つ、そんな酒の友人をご紹介します。
「オランジェのすゝめ」マリアージュ提案
色、艶、香り、味、余韻・・・五感でより堪能できるよう、私は