と「たくさんの人に自分で作ったゲームを楽しんでもらいたい」との思いでゲーム制作を続けてきました。
その為には、「ゲームを作って、届ける」部分までをきちんとやってこそ……という考えから、作品のクオリティを追及することはもちろん、販売の形態を工夫したり、広報活動にも出来る限りの力を入れるなど、各方面に力を注いできました。
その甲斐あってか、前作『FOGSITE』は日本最大のボードゲームイベント「ゲームマーケット」にて400本を数時間で売り切り、その後追加した通信販売も一瞬で完売するなど大盛況でした。
おかげさまでこの春、『商業版』として生まれ変わり、アークライトゲームズ様から出版していただくことになりました。
作品を制作した当時はそんなことになるとは夢にも思わず、ただ趣味で(でも本気で)作品を作っていただけでした。そしてそれは、今も変わりません。
『スノクラ』はこれまでの集大成になるよう、ゲームデザインはもちろん『ゲームとしての世界観、手触り感』にもこだわりました。
イラストレーターと綿密に協議して世界観を作り込み、これまでで最もビジュアルに力を入れた作品になっております。
制作を進めるうち作品にも愛着が湧き、「たくさんの方にスノクラを遊んでほしい」という想いは日増しに強くなっています。
しかし今回、毎年参加してきた日本最大のボードゲームイベント「ゲームマーケット」がコロナ禍によって開催の危機を迎えています。
1年に3回開催されてきたこのイベントが、昨年は2回が中止、残りの1回も規模を縮小しての開催となりました。
今後も、緊急事態宣言の再延長など社会情勢の変化によっては従来通りの開催が厳しくなる可能性があります。
このようなイベントが中止になってしまった場合、私たちのような小規模サークルは『作品を販売する機会』を失ってしまいます。
実のところ、作品を制作するにはそれなりの製造費(印刷費・イラスト料など数十万)がかかります。
また、販売の二ヶ月前には印刷所への発注を済ませているので、直前でイベントが中止になったからといって、製造をとりやめることはできません。
本来なら、このような状況では在庫リスク軽減のため製造数を少なくする必要があるのかもしれません。
しかし、少数の生産となると製品ひとつあたりの製造単価が高くなり、商品の価格を引き上げなくてはならなくなります。
ですが、私たちとしては出来るだけ多くの方に遊んで頂きたいですし、価格もできる限り安くしたいと思っています。
しかし今の状況では、採算がとれるかどうかの不安から「ゲーム制作を今までのペースで続けていくことが難しい」というのが正直なところです。
そういう経緯で、この度クラウドファンディング立ち上げに至りました。
クラウドファンディングでイベント以外でのお客様へ商品をお渡しする機会が生まれれば「多くの人に自分で作ったゲームを楽しんでもらいたい」という目的は達成できますし、「ゲームマーケット」を知らない方、また遠くて来られないという方にも作品を知っていただく機会が作れます。
またこうした形式で作品を発表することで、「アナログゲームとしての楽しみ方以外にも様々な楽しみ方を提案できるのではないか」と思い至りました。
そのうちの一つが、オンラインで遊ぶ「ダウンロード版」の制作です。
前作『FOGSITE』では、無料のWebアプリ「ユドナリウム」上に「リモート・フォグサイト」として実装し、ホスト側が製品を持っていればオンラインで遊べるような環境を整えました。
この経験を踏