バイクを売らない、ほぼバイク屋さん「本と、珈琲と、ときどきバイク」

バイクを売らない、ほぼバイク屋さん「本と、珈琲と、ときどきバイク」
バイク本体は売らずに、バイクと人とを繋ぐきっかけとなる小さな本屋を2021年8月19日に静岡県掛川市桜木駅付近にオープンを計画しています。バイクにまつわる本のラインナップを主軸に、今までバイクのことを知らない人に向けて、その魅力と出逢えるような豊かな感性を育める空間をつくりたいと考えています。


はじめに・ご挨拶

はじめまして。庄田祐一と申します。某オートバイメーカーのプロダクトデザイナーとして勤続10年になりますが、その節目にこのたび退職する決意をした者です。

私はバイクというモノに魅せられた者の一人です。なぜそんなにバイクが好きなのかと聞かれれば「美しい」からだと私はすぐ答えますが、その真意含め、とてもこの場では語り切れないほどの魅力がバイクには詰まっていると私は思っています。

日本において、バイク需要の全盛期だった80年代と比べると、現在ではその1割にまで需要は減っています。危険な乗り物、駐輪や盗難問題、マナーの悪いライダーなどなど、乗らない・乗りたくない理由はいくらでも挙げられます。そもそもバイクの必要性が危ぶまれている今、バイクの魅力がますます伝わりづらい時代となりました。それでも乗る人は乗るし、興味のない人には全く響かない。今流行っているソロキャンプなど、バイクは一人でも楽しめるので、コロナ禍においては世界的に需要が少し上がっているようですが、それは一時的なものでしょう。依然として時代はバイク対してかなり強い向かい風、非常に肩身の狭いポジションを強いられていると思います。にも関わらず、強風に耐え、生き残り続けられるのには、何物にも変えがたい魅力がバイクにはあるからだと私は信じています。私はその魅力をどうにかしてもっと広く皆さんにお伝えしたい。素敵なライダーを少しでも増やすお手伝いがしたい。そんな出逢いのきっかけに携われることを最大の喜びとしています。

今まではバイク本体という製品づくりに焦点を当てていましたが、組織内において、コスト厳しい中、心身をフルに使っても世に出るか出ないかというあまり生産性の良くない事情もさることながら、直接お客さんの顔が見えない中でのデザインは果たして「一体何のためにデザインしてるのか?」「今バイクの何をデザインすべきなのか?」「改めて自分にとってバイクとは何か?」という問いかけが生まれ、ここ数年自分の本懐と向き合ってきました。

そして出した結論が会社の外から挑戦すること。小さな力であってもバイク業界に自分らしくアプローチすることで、自らの幸せを達成したいし、それによって得られる成長を選択した次第です。直接人との交流の中でバイクとの出逢いの瞬間に携わってみたい。

そんなバイクに魅せられた一人が独立して、バイクを直接売らずに、バイクの魅力に気づけるような、そんなバイクと人とが出逢える空間をつくりたいと考えています。ただバイクといっても、従来のバイク好きとは異なる、もっと文化的で、日本的で、ヤンチャではなく静的で、油臭くない清潔感をもった、誰でも入りやすい環境を整えることで、初めての方にこそ来ていただきたいように演出したいと思っています。

それが「本と、珈琲と、ときどきバイク」という小さな本屋さんを開くというアイデアに繋がりました。

詳細は以下に記します。このあと乱文ではありますが、長々と想いを綴っております。お手数おかけしますが、もし少しでも共感、賛同してくだされば読み進めて頂ければ幸いです。
このプロジェクトで実現したいこと

昨今、「小さな町の本屋さん」が少しずつ増えてきました。私の住む静岡県掛川市にも「高久書店」さんができたばかりです。これは本好きな私にとっては大変嬉しい限り。ですが、本の需要はバイクと同様にずっと低水準のまま。本との出合いの場が本当に少ないのは私も残念なことだと思っています。これが私の最も愛するバイクとの出逢いとなると、さらにハードルが上がります。本屋も少なくな