し、社会に出る準備を整える必要があると強く思うようになりました。そうした思いを抱えながら、模索を続ける中、新型ウィルスコロナの感染拡大という事態が起こり、ますます子どもたちがしんどい思いを抱える姿に、動き出さずにはいられなくなりました。
ないものは創る!生きづらさを抱える子どもたちの学びの機会や社会体験の機会を保障し、社会に出る準備のできるフリースクールを創りたい!以前からの想いをカタチにするタイミングが今なのです!
これまでの活動からみられた子どもたちの成長変化
7年間の『じぇるむ』『いるどらぺ』での事業を通して、子どもたちの成長変化をたくさん目の当たりにしてきました。こもれびでは対話を大切にし、子どもの気持ちを尊重するようにしています。スタッフは肯定的な言葉かけをしたり、子どもの気持ちを代弁したりすることで、子どもたちは安心して過ごしながら自分の気持ちの表現方法を身につけています。また、中高生はその日のスケジュールや学習内容について一緒に相談したうえで決定をします。その日の振り返りもひとりひとりの子どもと行います。スタッフが子どもの気持ちを受け取り理解すること、子どもたちに自己決定をしてもらうことや気持ちを伝えてもらうことに努めています。
そうした関わりを続けることで子どもたちが大きく変化してきました。最初はスマホを触りながら、うつむいて話すしかできなかった子どもが、「きいて!」と積極的に話しかけてくれることや、時間を確認しながら、見通しをたてて自分から学習を始めることなど。また、不登校の子どもが「学校に行ってみようかな」と、気持ちにも変化が起こり、実際に登校につながる子もでてきています。
また、子どもへの直接的な関り以外にも、家庭や学校、関係機関と一緒に子どもの利益について連携をとり支援を行うことで、子どもにとって安心安全の場がどんどん広がってきています。
これまでの活動から子どもの成長変化には大人が子どもを適切に理解し、肯定的な関わりを持つことや、環境にはたらきかけ子どもの安心をつくることが重要だと実感しています。これまでの経験を活かし、新たにつくるフリースクールでは、中高生年代の子どもたちが、社会に出る準備を整えて、自身をもって自立の一歩を踏み出すことができる場をつくっていきます。
事業名『らじぇむ』に込めた思い
『らじぇむ』はフランス語で「la gemme」と表記し、『原石』を意味しています。これまでわたしたちが展開してきた活動を通じて、子どもたちは主体的に、意欲をもって「やってみたい」というコトに出逢い、体験を積み重ねて自信をもち、自分にも可能性があるということに気が付き、前向きにI一歩を踏み出し始める・・・そうした子どもたちが変化する姿を見続ける中で、”子どもはたくさんの可能性があり、どの子どもにも輝く個性がある”と確信をもつようになりました。
一方で、中学から高校へ進学し、高校を卒業して社会の一員になることを目指しながらも、中学校や高校の生活が順調にすすまずに、不登校やひきこもりになってしまう子どもは全国的にも増えてきています。
子どもたちがその子なりの光を放ち輝くためには、周囲の大人の理解や関わりが必要不可欠です。さまざまな可能性を秘めている原石(子どもたち)が、ただの石として見過ごされてしまうのか、大人が適切に関わりそれぞれの強みを引き出すことで、それぞれの石に合った場所やカタチで光輝くものになるのか。らじぇむでは、中学、高校を経て、子どもたちが社会に出る時に、怖気づいたり、逃げ出したりせず、