はじめに・ご挨拶
はじめまして。株式会社nondoの佐々木要太郎です。
岩手県遠野市で、オーベルジュ「とおの屋 要」、「民宿とおの」のオーナーシェフを務めながら、米農家として米の栽培から収穫を行い、醸造家としてどぶろくや甘酒、どぶろくを原料としたお酢を造っています。
高校卒業後、盛岡で就職し、遠野に戻ってきたのが今から19年前。先代の父が切り盛りしていた民宿とおのの調理場で働きながら、遠野で「何かできることはないか」と自家栽培米を使ったどぶろくの醸造に取り組み始めました。
日本酒やどぶろくは、並行複醗酵(へいこうふくはっこう)という世界のアルコール文化の中でも、独自の発酵方法で製造されています。
私たちが醸すどぶろくは、古くから歴史ある米を、濾さずに全て使い、世界で唯一の発酵方法で醸すお酒。米作りから醸造まで、すべてを自分たちで行いながら、その面白さにのめり込んで仕事をしています。
このプロジェクトで実現したいこと「廃棄の出ない完全な米の循環づくり」
今回のプロジェクトでは、地球と人の両方が健康になっていく好循環が回る世界の実現に向けた、新たな商品開発を行います。そのひとつが、これまで飲料にすることができていなかった、「米糠でつくる日本の酒」。また、その絞り粕を使った「完全無濾過なお酢」をつくり、廃棄の出ない完全な米の循環づくりに取り組みます。
米糠は、玄米を精米した外皮などが粉になったもののこと。どぶろくの原料となる米は精米しているので、その時に出た米糠を使って米糠クラフト酒をつくります。また、「米糠でつくる日本の酒」から出る絞り粕に地元のはちみつなどの農作物を合わせて、お酢を製造。
糠を使うことで、私たちが育てたお米すべてを体内に取り込むことができる循環が完成します。
「米糠でつくる日本の酒」は、米と麹、米糠、水で造ります。すべて米を原料とした日本の酒です。
すべて無添加で、「生酛」と「水酛」の2種類を製造予定。はじめは水もとを仕込むことが決まっています。
仕込みはこれからですが、目指すのは「田んぼの環境や土、空気感、周りの森の香り」が感じられるような味わい。米を育てている場所の風土や土地柄を、「米糠でつくる日本の酒」を通して届けられたらと思っています。
また、お酢は絞り粕と遠野産の農作物を原料に製造します。
すでに製造・販売している米酢「どぶ酢」、完全無濾過の玄米酢(りんご蜜・くり蜜の2種類)とは異なるタイプの完全無濾過なお酢。
味は、ナッツ類の風味が強く出てくると思います。きなこに近いような雰囲気を持ちながら、原料に使うはちみつなどの農作物の香りが感じられるはずです。
米糠でつくる日本の酒は、今回のプロジェクトのリターン品として設定しています。完成するのは、来年の4月〜6月頃。少し時間が空いてしまいますが、完成を楽しみにお待ちいただけると嬉しいです。
nondoが目指すこれからの未来
「米糠でつくる日本の酒」の原料にもなるお米は、農薬・肥料を使用せず、より自然環境に近い形で栽培を続けてきた田んぼから収穫しています。扱っている品種は、1927年に北海道上川町で生まれ、1935年に遠野で育種がスタートしたうるち米「遠野1号」。
種を蒔き、苗を育て、田植えをし、稲を刈る。そして収穫した米から種を選び、翌年にまたその種を蒔く。この作業を毎年繰り返しています。
現在は収穫したお米を使って、「どぶろく」や「どぶろくリキュール」、「甘酒」などのノンアルコール飲料、「米酢」などを製造しています。
どぶろくは、年間