はじめに
ープロジェクトの概要
労働者を対象としたストレスマネジメントの支援開発を行っております。
労働者のメンタルヘルス対策として従前から「ストレスマネジメント研修」が行われており,近年の研究結果から,「認知行動療法型ストレスマネジメント」が最も有効であることが示されております。しかしながら,認知行動療法型ストレスマネジメントが効かない事例も見受けられており,今回のプロジェクトでは新たなストレスマネジメント支援方法の開発を目指しております。
解決したい社会課題
ー課題を解決する必然性
労働者の自殺やうつ病の問題が解決した場合,経済的便益の推計額(単年)は2兆 6782 億円と推計されております(厚生労働省,2016)。しかしながら,各職場におけるメンタルヘルス 対策の取り組みは50%台にとどまっており(厚生労働省,2019),具体的な支援の手続きは明確に示されておりません。このような現状の中で,本邦においては従前から「ストレスマネジメント研修」が行われており,近年の研究結果から,「認知行動療法型ストレスマネジメント」が有効であることが示されております。しかしながら,認知行動療法型ストレスマネジメントが効かない事例も見受けられております。
認知行動療法型ストレスマネジメントの支援目標は,対象者に対して「いい結果が得られるような行動」の遂行を促進することです。
この支援目標から,気質的に「いい結果が得られるような行動」の遂行が難しい者は認知行動療法型ストレスマネジメントが効かないことが指摘されております。この気質的に「いい結果が得られるような行動」の遂行が難しい者は,行動抑制システム(Behavioral inhivition system;以下,BIS)が高いことが考えられます。このBISが高い人たちの特徴としては,楽しいことや結果が得られるような行動が得意というよりはリスクを回避する行動に趣を置く人たち(= BISが高い人)のことを指します。
このBISが高い者は,今回のプロジェクト企画者の研究結果を踏まえると,思考と現実を混同してしまう「認知的フュージョン」が高いことが明らかにされております。すなわち「認知的フュージョン」を低減させる「脱フュージョン・エクササイズ」を認知行動療法に基づくストレスマネジメントに加えることによって,これまで支援効果が得られてこなかったBISが高い人たちにも支援が奏功する可能性があります。
そこで,今回のプロジェクト企画では,BISが高い人たちに対して,認知行動療法に基づくストレスマネジメントに脱フュージョン・エクササイズを加えた支援を検討し,その効果を明らかにすることとしました。
ー課題で実現したいことのイメージ
ー課題と向き合うきっかけや経緯
BISが高い人たちというのは,気質的な特徴なので,性格よりも変わりにくいと考えられてきました。従って,気質的な特徴は変えることが難しいと考えられてきました。しかしながら,今回のプロジェクトで結果が出ることによって,これまで「気質の問題だからしょうがない。」と考えられてきたものが「変えられるかもしれない。」という意識に変わって,これまで支援効果得られにくかった人たちに最適なサービスが提供できるのではないかと考えたのが今回のプロジェクトに携わるきっかけとなりました。
このプロジェクトで実現したいこと
ー具体的な活動の内容
今回のプロジェクトの企画者(私)が,研究の被験者に対して,「脱フュージョン・エクサ