はじめまして、一般社団法人DGY(DaiGakuYu)代表理事の石田健(いしだたけし)と申します。
この度は、「大學湯」再生に向けたクラウドファンディングページを見ていただき誠にありがとうございます。
「大學湯」は、私の祖母石井フミが1932年(昭和7年)に創業した公衆浴場で、戦前戦中戦後を通じ、80年という歳月を地域住民の交流と憩いの場として地域社会と共に歩んできました。2012年(平成24年)に廃業し、現在は母と叔母が建物を受け継いでいますが、高齢の二人に代わって親族を代表して私が「大學湯」のお世話をしています。
「一般社団法人DGY」は、福岡市東区箱崎三丁目所在、廃業した銭湯「大學湯」を「何とか維持保存していきたい」と言う私の想いに賛同してくださり、サポートをいただいている箱崎出身アーティストの銀ソーダさん、管理と活用のコーディネートをしてくださっている濱田大史さん(福岡R不動産)に協力をお願いして、「大學湯」建物の維持・保全・活用を目的として2020年(令和2年)7月に立ち上げました。
銭湯としての使命は終わりましたが、建築物としての文化的価値も高く、地域活性化の一助となるような場として利活用を目指しています。ただ、劣化が著しく建物の存続が危ぶまれる「大學湯」を再生するために試行錯誤しながら進んできましたが、個人の力だけでは及ばない状況が見えてきたことで、皆さまのご支援を賜りたく、このプロジェクトを発信させていただくことになりました。
よろしければどうぞ最後までお付き合いいただけますと幸いです。
(石田健です、一時的にアトリエとして活用中の大學湯で撮影していただきました。)
(今となってはどこを切り取っても趣のある雰囲気です。)
(昭和を感じるレトロパーツも多数存在します。)
(役目を終え、時間が止まったかのような空間です。)
大學湯のこと、実現したい想い
公衆浴場がまだ庶民の日常生活の一部だったころ、銭湯建築は一般家屋建築と違った特殊技術を要求され、公共性の高いものであったこともあり、設計者や大工さんたちは特別な気持ちを込めて作ったと聞いています。「大學湯」は、昭和7年(1932年)の創業から80年という長い年月を、ここ箱崎の町の皆さんや箱崎にあった九州大学の学生さん達から親しまれてきました。一昔前、近所のお寺(一光寺)が一時大相撲九州場所巡業の宿舎だったときには、「大學湯」はお相撲さんたちの浴場として、場所後の汗と疲れを流してくれたというエピソードもあります。
祖母にとって人生そのものだった「大學湯」。名物オカミとしてお客様や地域の方々にも慕われていたこともあり、祖母が他界した後、その想いの詰まった場所を何とか守っていきたいと親族で銭湯営業を続けてきました。しかし、「大學湯」もその他多くの銭湯と同じように時代は変わり事業性や後継者の問題から、2012年(平成24年)に惜しまれつつも廃業を決断するに至りました。
※「大學湯」のことを記事にしてくださったものがありますので是非ご覧ください。
・「箱崎大學湯・銭湯跡をどう活かす」
・「涙の廃業・福岡県の激渋銭湯」
(まだ現役で頑張っていた当時の祖母石井フミです。叔母が大切に写真を残しています。)
(惜しまれつつも2012年に廃業を決断しました。)
それからは諸事情もあり、数年間は何もできずにそのままの状態で月日が過ぎていくことになります。
廃業後は「取り壊さず残したい」という漠然とした私の個人的な想いはあったのですが、風呂がほとんどの家庭に設置されている