ヘリテージ・マネージャーの舌間雅二さん(ASAKURA LAB)に見ていただけることになり、本当にたくさんの方々に支えられてやっとここまで辿り着くことができました。
(特に屋根部分はトタンの継ぎ接ぎ状態で雨漏りが常態化、左下は保管されていた「大學湯」の建築図面。)
しかし、ここで大きな問題に直面しました。
天井高があり銭湯という特殊な建築物である「大學湯」、しかも途中で何度かの改修をしているとは言え元は昭和初期に建てられた建物、基礎柱こそしっかりとしていたのが救いでしたが、劣化は思いのほか進行しており、トタン屋根は数ヶ所に渡って雨漏りを起こし、構造強度にも影響を及ぼす一部の柱や壁面にも亀裂や劣化が見受けられる状況です。改修工事の見積もりを取ってみると、修繕内容を絞り込んで行ったとしても、屋根の修復や最低限の構造安全性を確保するだけで、かなりの費用が想定されることがわかってきました。
「大學湯」を文化遺産として維持・保存することが、地域社会とその将来にとって意義のあることだという信念も、建物修復があってこそ意味のあるものとなりますが、私個人の力では限界があることは明らかでした。
(雨漏りの影響を受けた天井部は特に劣化が著しく、壁面のクラックも年々広がりを見せています。ボイラー室(右下)は土壁が剥がれ落ちこのまま劣化が進行すれば倒壊の危険もあります。)
(屋根は所々でお日様が見えてしまう状況で、外壁も劣化がかなり進行しています。)
「大學湯」再生に向けて皆さまへのお願い
ここで、改修案の再考と資金計画を練り直すため、いったん「大學湯」の利用希望の話や利用方法の検討も中断せざるをえなくなりました。ただ、それでも何より「大學湯」を地域共有の財産として再び活かすことが重要であるとの私の決意は揺らぎませんでした。親族や家族にも相談して理解も得られ、金融機関からの融資を受ける決意を固めました。
もちろん、融資を受けるということは、計画的・組織的・継続的に事業として進めていく必要があり、そのような背景もあって「一般社団法人DGY」を立ち上げるに至ったのです。ただ、融資を受けることができたのは想定改修費の3分の1程度。それに自己資金を加え、残りの不足している費用を皆様からご支援を賜りたく、お力添えをいただきたい次第です。
築90年余の「大學湯」建物は老朽化が進んでおり、大規模な修繕を施さずこのまま放置すれば、早晩朽ちてしまうでしょう。今までたくさんの方々が祖母の人生そのものだったこの「大學湯」を愛し、利用してくださいました。今度は、この「大學湯」だからこそ生み出せる空間を活用して、箱崎地域の活性と未来のために、そして古き良き昭和の文化遺産を後世に残していくために、建物「大學湯」を再生していく所存です。
【ご支援いただいた資金の用途】
ご支援していただいた資金よりリターン品の経費・クラウドファンディング手数料を差し引いた金額を、建物修繕施工費に充てさせていただきます。
【プロジェクトの実施スケジュール】
・クラウドファンディング期間中の現地公開企画展示会:2021年5月20日〜5月23日予定
・リターン品の発送:内容により2021年7月〜2021年9月予定
・修繕工事予定工期:2021年7月中旬〜9月中旬予定
・お披露目イベント開催:2021年10月10日(銭湯の日、内容未定)予定
・活用方法、活用希望者の選定:2021年内を予定
(大學湯を再生し箱崎地域の活性のために活かしていきたいと思います。)
DGYプロジェクトメンバー:銀ソーダ