デジタル復元師・小林泰三が挑む 〝伊藤若冲「花丸図」復元プロジェクト〟

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はじめに

みなさん、はじめまして。「伊藤若冲『花丸図』復元プロジェクト」の代表・高坂圭です。
福岡で「ライティングプロ」という編集ユニットを主宰し、映画やテレビ・広告などのライティングを主な仕事にしています。

今回のプロジェクトは、デジタル復元師・小林泰三氏が挑む、伊藤若冲『花丸図』の完全復元です。

小林氏はこれまで数多くの美術作品を復元してきました。彼のプロフィールとあわせて、まずはその作品の一部をどうぞご覧ください。

【小林泰三氏 プロフィール】
 大学卒業時に学芸員の資格を取得。大手印刷会社で美術のハイビジョン番組を手がけ、美術の知識と美術業界のノウハウを駆使して、美術品のデジタル復元を手掛ける。その先駆けとして高く評価され、ハイビジョンアワード、マルチメディアグランプリ、ユネスコシネマフェスティバルなどで数々の受賞。2004年に小林美術科学を設立し、美術史業界のネットワークと最新のレタッチ技術を融合し、本格的にデジタル復元の活動を開始する。

【テレビ出演】
「国宝探訪」「日曜美術館」(NHK)/「教科書にのせたい!」( TBS )ほか

【著書】
「日本の国宝、最初はこんな色だった」「誤解だらけの日本美術」(以上、光文社新書)
「国宝 よみがえる色彩」(双葉社スーパームック)
「後白河上皇『絵巻物』の力で武士に勝った帝」(PHP新書)

朝日新聞土曜版「be」の「フロントランナー」でも紹介されました(2014年5月)

※詳細は小林美術科学ホームページ(http://kobabi.com/)にてご確認いただけます

【デジタル復元作品例】「檜図 狩野永徳」

①「檜図屏風」は、もともと襖(ふすま)絵でした。その証拠に、よく見ると襖の「引き手」の跡がみえます。つまり、ジグザクの姿をした檜の巨木は、本来ののびのびとした雄大な姿を現代に伝えてない状態だったのです。

②ジグザグがなくなった襖の檜図。デジタル復元で、簡単にもとの姿に近づきました。これだけでも横に伸びる枝の勢いが、かなりよみがえりました。屏風で「窮屈な巨木」の鑑賞を強いられていたことが、お分かりいただけると思います。

③さらにデジタル復元で、当時の色に戻しました。岩絵の具はいわば色のついた宝石です。くすんだ色ではなく、目に飛び込んでくるような、非常にビビットな色です。この鮮烈な色彩で、巨木のエネルギーが満ち満ちてきました。しかし、まだ不十分です。肝心の真ん中、大きな枝がうまくつながっていないからです。

④そこで、その間に柱を入れてみましょう。どうでしょう。段になっていたところがうまくつながりました。そして、大きな枝が横へ、ぐぐーっと手を伸ばし、今完全に、大きな体を目いっぱい広げることができました。これが、狩野永徳が描いた「檜図」です。
このプロジェクトで実現したいこと

作品を見ておわかりになったと思いますが、小林氏は歴史をさかのぼり、その当時の色づかいや図案などを徹底したリサーチにより突き詰め、確かなデジタル技術で美術作品を復元していくアーティストです。

彼の復元作品は「この作品は当時、こんな色をしていたのか」という驚きとともに、日本美術の素晴らしさ、ひいては日本がいかにすごい国だったのかを教えてくれます。

今回小林氏が復元に挑む伊藤若冲の『花丸図』は、香川県・金刀比羅宮(ことひらぐう)の襖絵として描かれたものです。現在の襖絵は金箔で彩られていますが、小林氏は 「金箔は後年しつらえたもの。当時は金箔ではなかった」「若冲は金をほどんど使わなかった。このままで