島のみかん農家も甚大な被害を受けました。
そんな困難を乗り越えようと復旧工事が続く中、被災からちょうど2年となる2020年の7月、再び大雨による土砂崩れが発生し、柑橘畑をのみ込みました。
追い討ちをかけるように、コロナ禍の影響によるフードロスもさらに増え、農家の方々は現在も厳しい状況に直面し、頭を抱えています。
中島では、柑橘類の中でも高級な「紅まどんな」「甘平」などを中心に栽培しています。これらは、通常よりも栽培に時間と労力がかかるため、ロスになるとダメージも大きいのです。
紅マドンナ
「紅まどんな」と「甘平」は、贈答用とされることも多く、見た目の美しさが重視される傾向にあります。このため、審査がとくに厳しく「規格外」になってしまうものも多いのが現状です。
甘平(かんぺい)
ただ、「規格外」に分類されたものも、味は全く変わりません。「紅まどんな」は皮が薄くゼリーのような食感、「甘平」はプチプチした食感で食べごたえ満点!どちらも愛媛が誇る自慢のオリジナル品種で、愛媛県民はもちろん、全国のファンに愛されています。
規格外の一部は、ジュースなどの加工品にされていますが、それだけでは消費しきれず、廃棄されてしまうものもたくさんあります。
農家の方が手塩にかけて育てた大切な果実を、見た目が少し劣るというだけで廃棄してしまうのは悲しすぎます。しかも、廃棄するためにはお金がかかり、それが農家の方の負担になっているという現実もあります。環境への負荷も大きく、社会的な課題でもあります。
「フードロスを減らすことができれば、たくさんの人を笑顔で元気に、そして幸せにすることができる!」
規格外のみかんを活用して、新しい商品を開発できないかと試行錯誤していた時、「コロナによる全国一斉休校で給食が休止し、牛乳が大量廃棄されている」ということが頭に浮かびました。うまくかけ合わせることで、2つのフードロス問題解決につながると確信しました。
「牛乳の廃棄量減少に貢献するために北海道産のチーズを使い、絶品みかんチーズケーキを開発したい!」
北海道で製菓店を営む、かつての同僚に連絡を取り、この想いを伝えたところ、フードロスへの問題意識が一致して意気投合。
外食好きなら聞いただけで鳥肌が立つほど有名な三つ星レストラン、フランス料理の名店「ミシェル・ブラス洞爺」でのパティシエという素晴らしい経歴のある高橋 友里菜氏、夫である高橋 広大氏にレシピ開発にご協力いただけることになり、本格的に一大プロジェクトが始動しました!
\ 農家からのメッセージ! /
ご協力いただく農家の方から、メッセージをいただきました。
\ 想いが一致し、パティシエとレシピを開発! /
「3℃」は、超有名三つ星レストラン「ミシェル・ブラス」でパティシエとして修行を積んだ高橋氏がレシピ開発を担当!
高橋氏は、レシピ開発への思いとポイントを下記のように語ってくださいました。
現在高橋氏は、北海道せたな町で、地域の素材を生かした食肉加工品やケーキなどを提供する「サッカムセタナイ」というブランドを立ち上げ、活動されています。
パティシエの高橋友里菜氏
高橋 広大氏
「地域を盛り上げたい」という共通の「想い」を持って活動する「同志」だと感じています。
僕たちは、愛媛はもちろん、同じような問題を抱える地域のフードロス軽減や地域活性化にも、貢献したいと考えています。
「紅まどんな」「甘平」それぞれ独特の「甘みと酸味」をぎゅっと閉じ込めたソースと、クリーミーなチーズが絶妙にマッチする