なってしまっていました。悩みに悩んで様々な方からの助言で2019(平成31)年に手放すことに。手元に残ったのは「ディアパソンピアノ」だけとなってしまいました。
いまになって分かったのですが、ピアノはフレーム割れを起こさなければ修理できるのに、それを知らずに手放してしまったのです。
…私たちは選択を誤ってしまいましたが、手放してしまったものは仕方がない…。残ったディアパソンピアノを使いレッスンをすることになりました。
ヤマハとディアパソン2台並べて弾いていたときは、ヤマハC3Aをメインに使用していたため、ディアパソンを使用することはほとんどありませんでした。実はきょうしつに来たときからたくさんの不具合があったからなんです。
アクションが不具合多数のディアパソンもいくらか温存できた部分がありました。しかし、メインがディアパソンになり、レッスンに加え自分自身の練習で使用したためかなり酷使してしまいました。そして徐々に各部品が劣化により機能を維持できなくなり、ピアノの命ともいえる「調律」が全く保てなくなってしまったのです。
1940年代から1950年代(昭和20年~30年代)に制作されたと思われるこのピアノですが、当教室に来る前までに本格的な修理や調整を施されたことなくそのままの状態で老朽化が進み、結果ディアパソン本来の音色ではない状態となってしまいました。
ここで、具体的な不具合箇所を上げてみます。
・まずは調律をしてもしても音の狂いが治らない!
・鍵盤の高さがバラバラで、おまけに鍵盤が横ずれをおこしてしまっておりとても弾きずらい!
・響板にひび割れがある!それも数か所
・ハンマーのフェルト部分の大部分が削れてしまっており、本来やわらかい音色であるはずのディアパソンがかなり金属音と化してしまっている!
・とにかく弦の錆がひどい!
・ピアノ本体の横揺れがひどい!
・ペダルも本来の機能を失っている!
…これって、ほとんどの箇所の修理が必要なんじゃないの?と言われてしまいそうですがそのとおり!ほとんどの箇所での修理は必要なんです。
それだったら、新しいピアノを買ったほうがいいんじゃないの?という声もきかれそうですが、私たちはあえて「修理」という選択肢を選びました。
弦に青錆が発生しているのわかりますか?
参考までに、きれいなピアノの弦はこんな感じ
ハンマーががたがたになってます。
新しいピアノのハンマーはこんな感じ
ハンマーのフェルトの頭がなくなってるのがわかります。
新しいハンマーはしっかりとフェルトの頭がありますね。
【修理を選んだわけ】
実はこのピアノは、まぁちが大学時代から本当の父親同然に私に接してくれた恩師で、武蔵野音楽大学の教授だった故木下邦茂先生の奥様が生前愛用していたピアノで、現在は亡き恩師夫妻のご長男さんが「形見」として所有するピアノなんです。そのピアノを当きょうしつで使用してほしいというご長男さんのご意向で、2016(平成28)年から「貸与品」という形でお預かりをしております。
また、まぁち自身は大学受験まで通っていたピアノの先生のお宅に、やはり古いディアパソンがあり、そのディアパソンを使用してレッスンをしていたため、当時の「ディアパソン」らしい音はハッキリと覚えています。この独特な音色に魅了されて現在もピアノを弾くことをしているといっても過言ではありません。
また、現在当きょうしつに通われている生徒さんの中にも、「このピアノの音、素朴な感じがいいよね」と言ってくださる方もいらっしゃいます。
教室の生徒たちや