幻のピアノ『大橋幡岩モデルのディアパソン』を復活させたい!

幻のピアノ『大橋幡岩モデルのディアパソン』を復活させたい!
「和製ベヒシュタイン」と称される大橋幡岩設計の「ディアパソン」。特に製造台数が少ないとされているのが「183型」。日本のピアノ製造の歴史において、貴重なこのピアノを後世に残していきたい…

立され、ディアパソンはそこで引き続き制作されることになりました。

長くカワイ楽器の子会社と存在していた株式会社ディアパソンでしたが、親会社のカワイ楽器の全社的な合理化によりカワイ楽器に合併吸収され平成29年からカワイ楽器のブランドの一つになりました。

「ディアパソン」がカワイに継承された後、生みの親である大橋幡岩はその後どうなったのか…
1958(昭和33)年にディアパソンがカワイ楽器に継承されたのち、「大橋ピアノ研究所」を設立し、自らの姓をブランド名にした「OHHASHI(オオハシ)」を制作します。幡岩は1980(昭和55)年に84歳でこの世を去りますが、引き続き息子の巌がピアノ制作を引き継ぎます。その巌も1995(平成7)年にこの世を去り、平成9年に大橋ピアノ研究所は自主廃業します。
「OHHASHI」ピアノは4639台製造されてますが、現役で使用されているモデルは希少となり「幻のピアノ」と称されています。当きょうしつのディアパソンは、「大橋モデル」とも言われており、きょうしつのディアパソンはOHHASHIピアノ同様、大橋幡岩の気持ちがたくさん込められたピアノであることには間違いはありません。

さて、きょうしつのディアパソンの話に戻ります。
ピアノには「製造番号」がついています。そして製造番号は普通はピアノのフレーム(金属部分)もしくは人の目に見える場所に書かれているのが一般的ですが、このピアノにはフレームや人の目につくところのどこにも製造番号が書かれていません。では一体、どこに記載されてるの?と気になりますよね。

それは…ピアノの下の支柱部分に「2455」?それとも「12455」と刻印されてますが、これが製造番号と思われる番号です。実はこのピアノは、製造された手がかりがほとんどなく、この番号だけがヒントになっています。どちらの番号にしても、ディアパソンの製造番号として存在するものであることは確認できました。どちらが正しいかについては、現在ディアパソンを製造しているカワイ楽器の調律師さんにも判断がつかないとのことです。
どちらの番号にしても、このピアノが世にでてから70年ほどが経過していることは確かなようです。

そして、何人かの調律師さんに診てもらい、知りえる範囲の中ではありますが、一度も大掛かりなメンテナンスを施されなかったようだと、診ていただいた調律師さんの全員からご意見をいただきました。
また診ていただいた過程で、1940年代(昭和20~30年代)に製造された大橋モデルのグランドピアノは、現存する台数は極めて少ないということもわかりました。

ピアノ製造の歴史においてとても貴重なこのピアノを、どんな演奏にも耐えられる貴重な一台として修復をし 、YouTubeで音楽を発信するものとして、また、おんがくきょうしつで音楽を学ぶ生徒さんに対して、いい音色に戻った幻のピアノで様々な曲を届けたい…
と考えて、今回プロジェクトを立ち上げることとなりました。
プロジェクトをやろうと思った理由

【いままでのお話し】
当教室が開設された当初は、「YAMAHA C3A」でピアノ指導をしておりました(動画で使用しているピアノがヤマハC3Aです)。その後2016年にこのディアパソンが教室にやってきて、2台でレッスンや練習をしておりました。

最初にあったヤマハC3Aピアノは、購入当初の1990年頃にあった鍵盤素材のリコールや、2009(平成21)年に後付け消音ユニットを取り付けたことによる影響で響板割れを起こしており、自分が思い描いていた音を出せなく