を手順書と日報という形で工場に導入する事で、実際原価をほぼ正確に取得する事ができるようになりました。これによってどの商品に利益が出てどの商品が損をしているのかが、ほぼ正しく判るようになりました。これによって工場内の改善するポイントを正確に把握する事が出来たのです。
参考 製品別損益(このような感じでどの商品がどの位利益が出ているかが判ります)
改善に必要な要因分析を正確に出来るようになったのです。
この分析によって工場の大きな問題が浮き彫りになってきました。それはスタート時点からあった設備の不備と材料の購入方法この2つに大きな問題があったのです。
いくつか大きなハードルを超えるのに2年程度時間がかかりましたが、問題発見からそこに集中的に力を注ぐ事で工場の利益が回復していきました。そして就任から5年で黒字化を達成する事が出来ました。
「仕事が無い」から始まったネット集客
生産工程が正しく動くようになると、当たり前の事ではありますが、不良の発生も無くなり、納期遅れも無い、注文があった商品をほとんど計画通りにこなすことが出来るようになっていました。
その一方で過去のトラブルによって顧客からの信頼を無くしていった事もあり、どんどん売上げが落ちていきました。そのため再度、赤字に転落をしてしまった。
そのため工場長の立場で、こんどは仕事作りに力を入れる必要がでてきました。しかし社内の管理業務もあるため、現場を離れて飛び回る訳にはいきません。そのため実施したのが、インターネットを利用した集客でした。
実は工場の改善を始めた2006年の工場長就任時に本社サイドでは大きな組織変更があった事で、新規の仕事作りが難しいと感じていたので、先手を打って、工場専用の集客用のホームページを作成する事を決意しました。それが「加飾.com」と言われるwebサイトでした。これはBtoB向けで塗装や印刷のやり方や材料の詳細、使用する機械の紹介など興味を持った人が問い合わせが出来るようにしました。
一般にルートセールスなどの、営業活動の場合は、資材や購買といった人をターゲットにしていますが、インターネットでの集客に対しては、開発、設計など技術者をターゲットにしたのです。
そんなWebサイトは集客には実に効果的でした。最初の半年はそれほど効果はありませんでしたが、後半になれば日を追う毎に問い合わせが多くなったのを感じました。1週間に1回程度の何かしらの問い合わせが来るようになり、見積もり等を行っていました。実際営業マンがルートセールスで定期訪問をするよりも引き合い数が多かった印象です。またインターネット経由での注文は非常に利益率が高く、売上げ額はまだまだではあったが、収益は非常に高かった印象があります。その中でも誰でも知っているような有名上場企業2社から問い合わせがあり、これが大きな仕事に繋がりました。商品名は実際いまだに市場に残っています。
工場の閉鎖
売上げが減少して赤字転落はしていましたが、過去の赤字とは異なり、工場内の体制も良く、ネット集客のかいもあり、2年先、3年先の天望も見えていた矢先でしたが、代表社長の急死によって、工場の閉鎖が急遽決定しました。
工場の運営はこの亡くなった社長がおしすすめていた事業でもあった事で、亡くなった事で工場経営に反対していた役員が多かった事もあり閉鎖が決定しました。それと同時に集客サイトも閉鎖しました。
私も工場閉鎖に反対をしていた立場でもあり、この会社を退社しました。
かつての取引先との会食にて
在籍中に取引をしていた