き家を活用してみる」という意識のもと、宿を開業しました。
そして、稲取の空き家をリノベーションした宿の取り組みに一縷の希望を見出してくださった稲取の空き家オーナー様から、
「うちの空き家も利活用できませんか?」
と、ご相談をいただいたことをきっかけに湊庵二軒目となる空き家のリノベーションプロジェクトが動き始めました。
▲ご相談をいただいた二軒目の湊庵として活用させていただく空き家
2014年からこれまで7年間、空き物件のリノベーションを通した地域振興の取り組みが稲取では展開されてきました。
各拠点が特色を活かし、地域内外の多くの人が利用する場所に育ってきました。
それぞれの拠点の運営を通して町がどのように変化してきたのかを以下でご説明します。
①ダイロクキッチン(シェアキッチン)※
2016年にオープンした、消防団の器具置場をリノベーションしたシェアキッチンです。
▲町並みにリスペクトを込め、外観をそのままに
▲おかみが開くチャレンジショップ「suminko cafe」でのワンシーン
ダイロクキッチンは地元コミュニティが育つ「食」の拠点として運営をしてきました。
地域コミュニティの寄り合いの場所として使われたり、チャレンジショップとして地域で飲食店開業を目指す方たちが試験的にお店を出す、夢の実現に向けたお手伝いをする場所として使われています。
利用者の中には実際に稲取にお店を出す人も現れるなど、5年という時間の積み重ねが様々な結果を地域に作り出しています。
しかし、この場所が地域内での認知を獲得してきたが故に、地域外の人たちが新たな活動拠点とするには地域色が強く、別途そのような人たちが気軽に利用できるスペースの必要性を感じ拠点整備を進めました。
②EAST DOCK(シェアオフィス)※
2019年にオープンした、稲取の海と山を一望できるシェアオフィスです。
▲この景色を求めて訪れる人もいるほどに絶景です
▲愉快な地元内外のメンバーが仕事場とするワークスペースに育ってきました
ダイロクキッチンを運営した気付きから、地域外から訪れた人が活動拠点とすることができるシェアスペースを考案しました。
大学生たちのフィールドワーク拠点としてや、ワーケーションの際の仕事場としての需要をキャッチし定期利用からふらっと利用まで様々な方にご利用いただいています。
ただ、利用者の中には他地域に宿泊場所を取っているが故に滞在時間が短い方も多くいました。
利用者さんたちと交流するなかで、より長く稲取に滞在してもらい私たちが100%滞在をコーディネートさせてもらうことで、今までよりも高確率で訪れた方に稲取ファンとなってもらうことができるのではないか?という仮説が見えてきました。
※「ダイロクキッチン」「EAST DOCK」は私も所属するNPO法人ローカルデザインネットワークが運営しています。
③湊庵 錆御納戸(宿泊施設)
2020年にオープンした、港町稲取の暮らしを旅する一日一組限定の宿です。
▲町ではあまり見かけない20−30代のゲストに好まれています
ゲストの皆さまには港町での暮らし体験やスタッフとのコミュニケーションを楽しみ、充実した時間を過ごしていただくことができるようになってきました。
ただ、一日一組限定でグループ旅行のゲストたちと密なコミュニケーションを取ることができる一方、稲取に関心を持ってくれた単身旅行や中長期滞在をするゲストの来訪機会を逃してしまっていることも強く感じるようになりました。
そこで、港町