い事にお借り入れさせていただき、23区デリバリーや、冷蔵品の通販の実施や、固定費削減のための事業や生活の規模縮小など、考えられる努力を精一杯しながら、どうにかこれまで生き長らえさせて頂くことができました。
しかし、2020年5月末頃、大問題が発生。夫が鬱になってしまいました。
ツレがウツになりまして
夫の父親は魚屋、母親は森下で長く小料理屋を営んでいたこともあって、夫は、魚と料理が大好きな子に育ち、若い頃から料理人の道を歩んで参りました。
高級店より大衆店が好きな夫は、手間暇かけた料理を、信じられないくらいリーズナブルに出してしまう人で(汗)それに惹かれたお客様で連日賑わうお店で、毎日楽しくお料理をさせていただいておりました。
リュックサック背負って、「いってきま〜す♪」と、まるで遠足に行くみたいにお店に行っていた、夫。
もとより繊細な人ではありましたが、お客様に直接お料理をお出しして、目の前で喜んでいただく、という生き甲斐がなくなったためか、どうしても短期記憶が曖昧に。
さっき何をしていたのか、何を言ったのか、何を言われたのか、わからなくなってしまいました。
2020年7月、心療内科でお薬をいただき、治療を開始。それと同時に、わたしたちのライフワークである、京都の伏見稲荷参拝の際、滝に打たれてみる、ということを始めました。
これが功を奏して、夫の状態は回復し、9月、10月と、おかげさまで、売上も順調に伸びて行きました。
しかし11月下旬、感染者が1000人となり、再びキャンセルラッシュが訪れました。
仕方ない…そう思えたなら良かったのですが、こんな状況でも予約の取れないレストランや、住民が多くいらっしゃる郊外のお店は、ほぼ影響がないわけで、これが自分の実力なんだと思い込んだ夫の状態が悪化。
12月上旬、夫はお店に来なくなりました。
申し訳ないのですが、入っていたご予約をお断りし、残されたスタッフとわたしは、これからどうしよう…と途方に暮れました。
ひとまず、夫の状態も、コロナ禍も、いつ好転するのかわからないので、お店は12月に退去届を出しました。しかし、前述の様に、退去届を出してから半年間、家賃を払い続けなければならぬ銀座ルールがありますので、長年2番手で頑張ってくれていた須藤晋平に、退去まで料理長を任せることに。
須藤はとにかく揚げ物の腕がいいので、揚げ物のお店をしようと。12月いっぱいは、須藤と須藤の奥さんとわたしとで、東西の揚げ物を沢山食べ歩きました。
若干話はそれますが、女将のわたしは、もともとあまり太ったことがない、どちらかというと痩せ型の人間だったのですが、8年前、36歳の時からなぜか急に太り始めまして、ピーク時は、痩せていた頃の30kg以上も増えてしまいました。若い頃からずっと、1日夜だけ1食、甘いものは苦手で全く食べないわたしが、痩せていた時より食事もお酒も減っているにも関わらず、何をしても痩せなくなってしまったのです。
しかし昨年、2020年11月、なんと、小麦が原因だということが判明!小麦を抜き始め、それから明らかに体調が良くなり、体重も順調に、元に戻りつつあります。(食事量を減らさず半年で15kg減)
それがため、新料理長に就任した須藤には、グルテンフリーの串揚げにチャレンジしてもらい、2021年2月、㐂津常を、グルテンフリーの串揚げコース専門店と業態変更、退去の7月まで走ることとなりました。
須藤も、2月から急遽料理長という立場になりながら、努力に努力を重ね、めきめき成長し、たったの