だいた成功から現在まで、毎年様々なお酒たちが海の恩恵を受けるべく、穏やかな南伊豆の海中へ送られています。
台風や海流の影響、または味変化リスク等のため、半年間という海中熟成を毎年しております。
酒の造り手・富士錦酒造さん
地元静岡・富士山の麓、富士錦酒造さんのご協力を得て、静かに眠った純米酒がようやく引き上げられ目を覚ましました。
江戸時代より続く富士錦酒造さんは富士山の麓に位置し、酒造りにとって大変大事な水は、清らかで良質な富士の伏流水という恵まれた蔵元。富士山の岩盤にろ過されたまろやかな水で造られた純米酒は、飲んでいただく人々に喜ばれることにこだわる酒造りの伝統を感じさせます。現在18代目となる社長も「日本一愛される蔵」を目指し、お酒で感動体験をしてもらいたいと願っています。
海中熟成酒…への思い(富士錦酒造・清(せい)信一社長)
「日本一深い駿河湾の海底でお酒を熟成させる事は、大変面白く興味深い試みです。海という自然の熟成庫で、一体どんな酒に成長しているか…といつも楽しみにしています。」
地元静岡生まれの、希少な酒米
この酒に使われた酒米「誉富士(ほまれふじ)」は、平成10年に静岡県で生まれた酒米。 「酒米の王様」と呼ばれる「山田錦」の変異株、粒が大きく高度な精米にも耐えられる優良な米として知られます。その特徴は、優秀な親である山田錦の特性に加え、静岡産酵母特有の爽やかな香りと、滋味あふれる味わい。
その米「誉富士」を自社で栽培し、その米100%で醸す渾身の純米酒は、2014年に純米酒大賞で特別純米酒部門の最高金賞を受賞。この受賞について清社長は、「今回の出品は、自分たちの純米酒がどの位の評価を頂けるのかを確認したいという事で、実は初の出品でした。それが、最高金賞に選ばれたというお知らせをいただき、あまりに思いがけず、嬉しいというよりちょっと呆然としてしまいました。」「なにより静岡が開発した酒米・誉富士の純米酒での受賞というのが、とても喜ばしい事だと思っています。」
海中熟成、その味わいとは
数多くの熟成酒を利き酒してきた私も優しい気持ちになれる、海中熟成のテイストとは…「海の底で過ごしてきた酒は、一体どのような喜びをもたらしてくれるのか?? 想像と期待を膨らませワクワクした気分でテイスティング。
外観は透明なテリのある薄めの黄金色。樽熟した上質な白ワインのような美しい色調。
香りは最初上立ち香は開いていないが、含むと古酒にしては柔らかいやさしさ、後の抜けるリンゴの香りが何とも上品にスーッと残る。
味わいはやや甘く柔らかなアタックの旨味、複雑味に加え純米らしさが全て丸く穏やかで心地よい。
開封から時間がたつにつれ徐々に変化していく香りと酒質を、十ニ分に愉しめる。海に包まれ眠っていた酒ならではなのか、酸味と苦味が角を取れ調和したやさしい奥深さを感じた。やはり海の幸、磯のものと一緒に味わうのが似合うが、ドライフルーツやナッツといったつまみにも大変よく合いそうだ。」
リターンのご紹介
2021年海中熟成酒PJは、気候の良い6月の初旬に引き揚げられ無事に回収となりました。
ご予約分の残り貴重な100本を、異なる環境で過ごした同じお酒と比べてみる企画として限定数セットしました。日本酒の熟成について、ご関心ご興味のきっかけとなれば嬉しく思います。
お酒は、地元富士山の麓の富士錦酒造さんが造る特別純米酒。今回は酒米も地元の旗印品種「誉富士」を使用し、お米も水も造り手も熟成も、日本を代表する富士の恩恵を受けた地でのお酒