インディペンデント映画「復活」DVD化プロジェクト

インディペンデント映画「復活」DVD化プロジェクト
WW2末期を時代背景に、池袋モンパルナスの世界と天才戦没画家靉光の半生をモチーフに制作された自主制作映画「復活」。この映画をインディペンデント上映のみでなく、より多くの方々に観ていただくために、DVD化するプロジェクトです。

ロジェクトによって、同じテーマの作品がより多くのメディア、クリエイターによって創られるきっかけとなること。
プロジェクトをやろうと思った理由

個人で上映会活動をやることにも限界があり、各映画祭にもほぼ出品を終えた今、DVDという形で改めて世に出すことによって、この作品がより長い寿命を得、より多くの人の手元に残ることを期待します。自分なりにプリンタでDVDを焼き、ジャケットを印刷してお世話になったキャスト、スタッフ、協力者の方々に配布することは出来ました。他にも観たいと言ってくれる方、DVDは無いのかとお尋ねになる方々のためにまた手作業で対応することは可能かと思います。ただ個人レベルでDVDをプレスして頒布するには手間もお金もかかり、それよりまとまった数をプレスした方が効率がいい訳で、その製作手段としてクラウドファンディングを利用し、これを展開する過程において、これまで「復活」と繋がることがなかったより多くの人々に存在を知っていただけるだろうことも考え合せ、本プロジェクトを選択した理由です。
これまでの活動

■「復活」というタイトルの意味

この映画「復活」は、広島出身の天才画家靉光(本名=石村日郎,1907-1941)の半生をモデルとして構成しました。靉光は1944年に徴兵され、1945年の敗戦を経て、1946年1月19日に上海で戦病死しました。もちろん彼だけではなく、膨大な数の日本の将兵が日本に帰ることなく異国で果てた訳ですが、彼は私にとっては、同じように戦死・戦病死していった多くの人々の中でも特に<池袋モンパルナス>ゆかりの芸術家たちの代表でした。

「池袋モンパルナス」とは何か? 池袋(正確には現在の有楽町副都心線要町駅から西武線椎名町駅近辺)には戦前、画学生や画家たちのアトリエ村がいくつか存在し、そこと池袋の町を舞台にして、詩人や役者の卵たち、芸術家たちが入り乱れた一大文化的ムーブメントが展開していました。そういうことを知ったのはもう20年前ほど前。1995年の初夏、宇佐美承氏の『池袋モンパルナス―大正デモクラシーの画家たち』によってです。

靉光=石村日郎のことを知ったのも、この本によってでした。彼は、この池袋に起きていた歴史的な文化的ムーブメントの重要な構成員でした。若い頃彼は、都内を転々とした後、池袋から少し歩いたところにある「培風寮」というアパートの一室に暮らし、夫人と出会い、結婚しました。所帯を持ってからは、小石川に家を借りて、2人の子どもを設けました。この映画ではそういう地域的な誤差や家族的構成はフィクションとして描いています。

「池袋モンパルナス」というのは、この映画にも出て来る詩人・小熊秀雄の命名です。(この作品で実名で出て来るのは、実は彼だけです。)彼が書いた「池袋モンパルナスの歌」という詩に、当時やはり池袋界隈に屯していた作曲家、村井八朗が曲を付け歌になりました。小熊秀雄の詩は著作権が切れていますが、村井さんの作曲の著作権はJASRACで今も生きています。村井さんは長生きでしたが、小熊さんは若くしてこの世を去っております。「池袋モンパルナスの歌」の譜面は残っていましたが、この歌は仲間内で歌われていただけで、特にレコードが発売されているというものでもなく、実際にその歌を音として現代に再現したのは、何年か前に制作された「怪獣のあけぼの」というドキュメンタリー(=ウルトラマンなどの怪獣の造型デザインを手掛けた高山良策のドキュメンタリー)が草分けです。マイナーなDVDでしたが、ネットで調べて中古DVD屋でようやく手に入れ