コロナ禍で人通りのなくなった市街地に、人が笑顔で集えるまちの拠点をつくりたい!

コロナ禍で人通りのなくなった市街地に、人が笑顔で集えるまちの拠点をつくりたい!
埼玉県寄居町に整備した可変式・移動式の暫定利用広場「GOOD PARK」。コロナ禍で静まり返ったまちの再生プロジェクト。この広場をまちなかに展開することを通じて小さなパブリックスペースを同時多発的に生み出すとともに、可動式植栽パレットで長期間、健全な木々を生育させることを目指すチャレンジです!

はじめに

埼玉県寄居町(よりいまち)でタウンマネージャーをしている上田と申します。
寄居町の中心市街地を楽しくする、様々な取り組みを町内の事業者の方々と行っています。

この「GOOD PARK」は、造園事業者、園芸事業者、エクステリア事業者、デザイナー等のコラボレーションにより、2020年10月16日にオープンした広場です(2021年2月28日までの期間限定)。植栽、ベンチ、テーブルなど、すべてが可変式・移動式で、どんな場所でも、どんな期間でも広場をつくることができるのが特徴です。
この取組で、埼玉県が主催する「まちなかリノベ賞(商店街等リノベーションコンペ事業)」で奨励賞を受賞しています。
今回は、この「GOOD PARK」を、寄居町のまちなかの別の場所に移動させるとともに、事業者や住民の方の力を借りて、小さな「GOOD PARK」を街中に広げていくプロジェクトです。

寄居町の紹介

寄居町は、町の中心を荒川が流れ、周囲を山に囲まれた場所です。荒川の上流部なので、とても美しい河原があり、夏には、キャンプやBBQ、川釣りを楽しむ方が多く訪れます。農業も盛んで、さまざまな野菜が作られていますし、かつて、みかんの産地の最北限だったみかん山があり、今でも「寄居みかん」は名産です。

また、昔は屠畜場があったため、豚肉文化があり、豚肉の味噌漬け、カツ丼は町内外でも評判です。
特徴的なグルメもあり、寄居町でやきとりというと、鶏肉ではなく、豚のカシラ肉を使います。また、カツ丼は、卵とじでもソースカツ丼でもなく、甘いタレにつけたタレカツ丼なのです。

鉄道が3路線通っており交通の要衝でもあります。都市部からのアクセスは、池袋から東武線で1本。約1時間30分かかります。都市部の方からすると、日常の延長線上の田舎という感じだと思います。
自然豊かな田舎らしさと、都市部へのアクセスの良さ、都会と田舎の両方の魅力がある町が、寄居町です。

この寄居町の中心市街地に、GOOD PARKはあります。
現在は第1弾の場所にあり、4月から第2弾の場所に移設する予定です。公園が移設するとは?不思議に思いますよね。それが、可変式・移動式のGOOD PARKの特徴なのです。

コロナ禍で生まれた事業者コラボレーション

寄居町で生まれ育った私は、進学をきっかけに上京、その流れで東京に就職。そして、地域活性化を専門とする仕事をし、全国を飛び回る生活をしていました。気づけば36歳(当時)。これでいいのか。足は故郷へと向かいました。久しぶりの故郷は、自分をいつもどおり受けれてくれた反面、自分が子どもの頃に過ごした賑やかさがなくなり、何か寂しい街になってしまったように感じました。何かしなければと思うものの、何もできない自分にジレンマを感じました。

そんなときに、新型コロナウィルスの感染拡大。様々なまちづくり事業も、中止や規模縮小を余儀なくされました。思うように進まないまちづくり。皆で集まれないがゆえにミスコミュニケーションも増える。そして市街地の人通りはどんどん少なくなっていく…
苦しい時間を過ごしていました。

そんなとき、複数の飲食店さんから、屋外にテラス席を設けることができないかという声を聞くようになりました。ちょうど国土交通省が、テラス営業などのために道路占用許可基準を緩和できるという情報を発表した時期でした。しかし寄居町には、テラス席を設けられるような道路空間がない。難しいだろうなと思っていたのですが、ふとまちなかを見ると、使っていない町有地が意外とあったのです。