コロナ禍で人通りのなくなった市街地に、人が笑顔で集えるまちの拠点をつくりたい!

「ここを使うことができれば」という思いから町役場に相談。役場の協力もあり使えることになり、町有地を使った広場づくりに取組むことになりました。

集まったのは、町内の造園・園芸、エクステリアの事業者たち。実は寄居町周辺地域は、埼玉県内有数の造園・園芸の産地であり、多くの事業者さんがいたのです。そこに県内在住のランドスケープデザイナーが加わり、瞬く間にデザイン、施工できる体制が整いました。
そこには、チャレンジしかない

造園・園芸、エクステリア事業者が集まっただけでは、アスファルトだけが広がる敷地にすぐに広場を作れるものではありません。誰も経験がなかったのです。すべてがゼロからのチャレンジ。

問題となったのは、直植えをせずに中高木を設置すること。せっかく自然に囲まれた場所なので、都市部ではできない高木を置きたい。でも、そのような既製品はありません。そこで、造園事業者さんたちが知恵を絞り、農業用のメッシュパレットを組み立てる独自の仕組みを作りました。
このメッシュパレットの上に天板となる板を乗せればテーブルになります。こうして植栽と作業スペースが共存する空間が生まれました。

また、植栽は寄せ植えにしています。
寄居町では道路拡幅の際の街路樹を、在来樹種を中心とした複数樹種を寄せ植えした珍しいタイプの植栽にしたいと検討しています。しかしそれは日本でも今まで前例がなく、できるかどうか判断ができない。前例がないのなら作ればいい。そのためGOOD PARK に「在来樹種と中心とした、寄せ植えの街路樹」を再現し、その有効性を町役場や住民にアピールすることにしました。

“場”ができることで、地域のハブとなっていく

GOOD PARKは暫定利用広場。形もルールも決まっていないからこそ、どんな使い方も許容して場のポテンシャルを高めることが存在意義だと思っています。
2020年10月16日のオープンから、様々な個人・事業者によってイベントが開かれ、場所の可能性がどんどん高まってきています。
外出するきっかけを生み出し、市街地の回遊性を高めて、地域内の消費を喚起する。
コロナで停滞する地域経済の活性化に少しでも貢献できるよう、メンバー一同試行錯誤しています。

「暫定の広場」から、「形を変えながら存在し続ける広場」へ

GOOD PARK第1弾は、2021年2月28日をもって一旦終了です。
しかし、住民の熱い要望により、場所を変えて再始動することが決まっています(2021年4月~2022年3月予定)。第2弾では、新たなチャレンジに取組むつもりです。

チャレンジの1つ目は、近隣の事業者との連携を強化し、事業者の利益向上に貢献すること。
イベントの会場になるだけに留まらず、日常的な連携と恒常的な利益向上に貢献し、より地域に求められる存在になること。

2つ目は、1年間という長い設置期間において、メッシュパレットのような限られた土壌環境の中で、植物を健全に生育させること。
第1弾のGOOD PARKは、設置が10月16日から2月28日の落葉期(4ヶ月間)までという期間でしたが、木々の樹勢が弱ったものも幾つか見受けられました。
第2弾のGOOD PARKの設置は4月から翌年3月までの1年間という長期間となります。また、寄居町は、都内と比べても暑さ寒さの厳しい地域で、夏は熊谷や伊勢崎と並び最高気温が40度近くになるほど暑く、冬はマイナス10度近くになったりします。
このような厳しい気候や、限られた土壌環境の中で木々を健全に生育させる事は本当に容易ではありません。