カフェを外に持ち運ぶ。長野県佐久穂町から開疎な未来を迎えにいくプロジェクト!

の食材にこだわったカレーを提供されています。一昨年からお子さんの一人が大日向小学校に通われています。徒歩圏内にこんなにおいしいカレー屋さんができて、僕ら夫婦の幸福度はさらに上がりました。

そして僕が店主を務めるドーナツカフェ〈mikko〉。この3店舗が最初の運営チームです。さまざまな制約の関係で、3店舗が同時に出店するのではなく、それぞれが別の日に出店することになります。

「最初の」と書きましたが、プロジェクトの趣旨に賛同してくださる方で、いくつかの条件が合いさえすれば、一緒に使ってもらえるような仕組みもいま考えているところです。興味のある方はぜひ一緒にやりましょう!

[施工チーム]
先ほどご紹介した通り、ベースとなる軽トラックに積む小屋の内外装のデザインと施工は〈山村テラス〉の岩下大悟さんが手がけます。

また、施工パートナー・アドバイザーとして〈井出建設興業株式会社〉の井出正臣さんにも協力いただきます。運営チームの3店舗それぞれのリフォームやリノベーションにも携わられ、建築工事のプロフェッショナルの視点で関わっていただきます。井出さんは30年以上続く家業の建設業のほか、ご自身のライフワークとして遊休不動産の利活用や空き家改修事業に取り組まれたり、地域のコミュニケーションハブとなるスペースを運営されたりと、まさに佐久穂のまちづくりのスペシャリストです。

mikkoのオーナー兼大家さんでもあります。
昨年夏に〈キッチンえみゅー〉が感染対策のために設けられた屋外テラスも手がけられています。(撮影:塚原)

お店のコンテンツをモバイルできる未来

飲食店営業許可のある車両が一台あるだけで、屋外空間の使い方の幅はぐっと拡がるはずです。

僕らが目指す開疎 = ゆったり × 屋外 (ヒゲめがね豊田さん整理のもと、塚原が作図)
たとえば、そこから見える風景は良いけれど、特に何の設備もない空き地があったとします。

その場所に食べ物や飲み物を提供できるモバイルカフェが現れます。少し時間はかかりつつ、やがていろいろな人が「おいしい」を目的にその場所を訪れはじめ、飲んだり食べたりと、小さな営みが生まれはじめます。屋外なので、人と人との距離も十分に取ることができて気持ちよく過ごせます。モバイルカフェトラックには、ちょっとしたベンチやテーブル、パラソルなどのインテリア(というかエクステリア)も装備する計画です。気持ちの良い季節には、ハンモックなんかも良いかもしれません。設置されたスピーカーからは陽気な音楽なんかも流れています。腰かけたり、揺られたりしながら、のんびりしてみてください。さすがに厳冬期の稼働は難しいかもしれません。でも秋の終わりや春のはじまりには、小さな薪ストーブをちょこんと置いて、遠まきに囲みながら温まるということもできたら、それはそれで良いですよね。あんまりたくさんの椅子やテーブルは運べないので、皆さんご自身でベンチや椅子、テーブルなどを持ち寄ってきてくれるのも大歓迎です。

カフェにしてみたい近所の風景の一例(Photo by Alex Hogg)
また、今後も「密」な空間はなるべく避けることが前提であり続けるとしたら、あらゆるモノやコトが屋外に持ち出されるのが当たり前となるかもしれません。今回のプロジェクトで持ち運ぶのは「飲食」というコンテンツですが、他の商店やさまざまな体験施設も、屋外に持ち運べることはできるはずです。あらゆる店が持ち運べるようになれば、運ばれてきたモバイルな店が集って「動く商店街」のような取り組みも可能になります。たと