五代目の鍛造と精魂を込めた研ぎ技が創る肥後守ナイフの逸品定光作

んな)、鏝(こて)、小刀(こがたな)の製造業者が交替で公開実演を実施しています。ふいごを使い、古式ゆかしく金物を鍛える古式鍛錬の実演です。見学大歓迎。体験も出来ます。
・毎月第1日曜日 実施
・場所:古式鍛錬場(三木市立金物資料館横)

金物神社 正面は三木市立金物資料館、階段上がって左に古式鍛錬場がある

※古式鍛錬公開実演は7月から再開されました。詳しくは三木市ウェブサイトをご覧ください。(三木市産業振興部商工振興課様より)
写真ご提供:三木工業協同組合内 三木金物古式鍛錬技術保存会 様
ふいご祭りの様子

永尾かね駒製作所五代目永尾光雄氏は、三木金物古式鍛錬で御番鍛冶司を務められています。

(小刀部会の日)

鋸 の日でしたが孫と三人で見学に行きました
ふいごから送られる風で炎が動き、親方から「トン」と叩いた箇所を向こう鎚の弟子(?)
二人が交互に「テン、カン」と鎚の音が響きます。これが相槌(向こう鎚)の語源です。

三木市立金物資料館の前 「村のかじや」記念碑

青紙
安来鋼に使われる鋼の種類で、和包丁や大工道具などの高級刃物に使用され、白紙よりクロームとタングステンと炭素の化合物が多く含まれている。白紙よりも硬度が高く粘り強さがあり摩耗しにくい。

鉄・鋼
肥後守:割込み(高級刃物材の日本式技法)
固くて脆い鋼を粘りある軟鉄で包むので丈夫で扱いやすいが錆びやすいので手入れが必要。
洋ナイフ:全鋼が主流
多量の素材を切っても切れ味が低下しにくいメリットがあるが、衝撃に弱く欠けたり折れやすい。

両刃の特徴
V字の両刃は、右利きの人も、左利きの人も使うことができる。

カシメが硬い場合
肥後守は手作りの為、一丁一丁個性があります。カシメの硬さも微妙に違います。
カシメが硬く開きにくい場合は、チキリ(尾)を下にして机など軽く叩くと開きます。
「孫達に刃物の正しい使い方を伝えたい」
私が子供の頃はどこの家にも肥後守が手元にあり日常で使っていました。

「鉛筆削り器がなかったら、鉛筆が削れない!?」
娘の話ですが。
二人の娘がいるのですが、ある日「お母さん、鉛筆が削れなくなった」と言うので見てみると手で回す鉛筆削りの奥に折れた芯が詰まっていました。食事の準備をしているときで時間もなかったし手も汚したくなかったので、文具の引き出しにあったハサミをナイフ代わりに、シャシャっと削って渡すと「え?鉛筆削りじゃなくても削れるの?」と。これはかなりショックだった様で、自分が娘に教えていなかったのが悪いのだけど、すべてにおいて便利な専用道具が増えていてこれをするにはこれ、と思い込んでいたようだと。

そこで、私に肥後守を一丁ほしいと言ってきました。30年、40年以上前の肥後守はまだ道具箱に入ってたので研ぎ直して渡すと孫に鉛筆を削らせたと言っていました。
私が昭和58年に仲間と手作り教室を開催した当時の「子どもと手づくり」という三木青年会議所発行の冊子が出てきて、まさに今の時代と共通し必要なことが書いていました。
「子どもの教育と遊びの見直し」
「ナイフで鉛筆が削れない」
「つくることが想像力をつくる」
「道具の正しい使い方」肥後守、のこぎり、かなづち、やすり、きり
「ナイフでけがをしたときの応急処置」
「つくる喜びを教育の原点に」神戸大学教育学部助教授 鈴木正幸先生(当時)
・核家族化と地域の都市化が子どもから大切なものをとりあげた
・日常生活が子どもをきめる
・手づくり運動を通じて未来に生きる「学力」を
「あってはならない刃物 なくてはならない刃物」