【高校演劇】「新しい演劇のつくり方」を通して中高生が主体的に生きる舞台を作りたい

【高校演劇】「新しい演劇のつくり方」を通して中高生が主体的に生きる舞台を作りたい
劇作家で演劇集団「範宙遊泳」を代表する山本卓卓と中高生が、共同で演劇を制作、稽古を行い、来年3月に渋谷PARCO9階のGAKUにて、作品を上演することを目指します。この取り組みを通じて、中高生が主体性を取り戻し、教育において演劇が有用であることを周知したいです!

GAKUは10代の若者たちがクリエーションの原点に出会うことができる新しい学びの「場」です。渋谷PARCOの9階を舞台に、2020年9月の開校以来、音楽、建築、料理、ファッション、デザイン、アート、映像など、様々なクリエイターと連携した授業を開講。その他、インターネット配信番組「ガクジン」、10代専用の無料の自習室やそこから始まるクラブ活動なども展開しています。

GAKU公式HP:https://gaku.school/
インターネット配信番組「ガクジン」:https://gaku.school/gakuzine/

今回は、GAKUとしてはじめてのクラウドファンディングへの挑戦。演劇集団「範宙遊泳」代表で劇作家の山本卓卓と中高生が、一緒に新しい演劇を完成させ、同作品の上演を目指すプロジェクト。とても長いページで恐縮ですが、是非最後までお読みくださいますと幸いです。

©鈴木竜一朗

今回のプロジェクトでは、演劇集団「範宙遊泳」代表で劇作家の山本卓卓さんを講師に招き、中高生と一緒に「範宙遊泳」の代表作である『うまれてないからまだしねない』をベースに新しい群像劇をつくります。完成した作品を渋谷PARCO9階のGAKUにて上演するだけでなく、演劇の制作過程で行われる山本さんの講義の様子も撮影・アーカイブし、中学・高校での演劇教育のヒントとなるような機会をつくります。コロナにより演劇と触れる機会を失ってしまった10代。演劇に興味のある中高生が集える「居場所」を作っていきたいと考えています。

このプロジェクトがスタートするきっかけは、GAKUに遊びに来たひとりの10代の言葉。

「学校でも家でも自分はいい子。友達の前でも、SNSの中でも、別に自由に振舞ってるわけじゃない。求められたキャラクターを演じているだけかもしれないって感じてる。」

その言葉に、GAKU事務局のインターン生が反応します。

「自分自身、学校の中で起きていることが自分ごととは思えないまま、時間が過ぎていくような感覚があった。学校になじめない人もなじんでいる人も、同じような違和感を感じているこの環境。自分の人生に自分の存在をもう一度見つけ出すこと、そんなことはできないのだろうか? 」

海外では、演劇教育(ドラマ教育)が公教育に組み込まれています。その理由は、他人を演じることで、人について理解するとともに、「演じていない自分」を改めて再認識できるため。コミュニケーション力や、自己肯定感を育てるために有用だといわれています。

10代と事務局インターン生が注目したのは、そんな演劇の中でも、彼らが過去に観劇した演劇集団「範宙遊泳」による『うまれてないからまだしねない』という群像劇。(群像劇とは、主人公/、脇役という図式でなく、それぞれの登場人物の個性やその関係性にスポットが当たる劇のこと)まるで物語の中を本当に生きているかのような登場人物たちそれぞれに、グッと惹かれていきました。

参考)『うまれてないからまだしねない』(2019)

10代が、真剣に役に向きあい「他人」の気持ちを身体で感じること。そして、自分で考えた「他人」を主人公性を持って演じること。これらの体験を通して、これまでマイナスにとらえてしまっていた「演じる」ということのプラスの面や、主人公性を取り戻すきっかけが見えてくるのではないか?そのように考えました。

そんな中、GAKUによる10代とクリエイターが語り合うポッドキャスト「ガクジン」に、「範宙遊泳」主宰の山本卓卓さんが出演します。番組の中で山本さんは、10代