「教師からのバトン」を文部科学省に渡しに行きます

「教師からのバトン」を文部科学省に渡しに行きます
文部科学省が始めた #教師のバトン プロジェクトに対し、全国の先生方から批判の声が上がっています。そんな先生方の声(メッセージ)を集約し、「教師からのバトン」として文部科学省に届けます。

はじめに

 文部科学省による #教師のバトン プロジェクトには、全国の先生方から批判の声が次々と上がっています。マスコミもこれを取り上げるようになり、文部科学大臣も記者会見で見解を述べています。教育研究家や学者の間からもさまざまな分析が出ています。

 「教師からのバトン」とは、全国の先生方からツイッターのDMで集めた声(メッセージ)を文部科学省に直接届けるものです。長文のメッセージとすることで、ツイッターでは表現しきれない思いやそれぞれの置かれた状況をしっかり伝えたいと思います。また、担当者との懇談や記者会見も計画しており、それに向けた準備を進めています。

ープロジェクトの概要

 私(市民労働基準監督官)のほかに、現役の先生方3名から協力の申し出を受けています。5月31日に4人で文部科学省を訪れ、懇談や記者会見に臨みます。

 現役教員が社会に対して直接声を上げることは、まだまだ難しい状況です。しかし今回の行動が流れを変える一助になればと思います。実際に文部科学省を訪れ記者会見を行うという直接行動が全国の先生方に勇気を与え、教員の働き方改革を推進してくれるものと信じています。

解決したい社会課題

 少し長くなりますが問題の背景を詳しく説明します。文部科学省がプロジェクトを始めるきっかけになったのは、深刻化する教育現場の人手不足問題です。教員が足りない状態で新学期をスタートしたり、教科担当が足りないため専門外の教科を教える教員が出たりなど、教育の質を確保できるのか懸念されるほどの事態が生じています。人手不足が教員の多忙化を生み、それがまた人手不足に拍車をかけるという悪循環が生じています。

 人手不足の原因は、教員のなり手が減少していることです。地域や教科によっては、採用試験の倍率が1.0倍を切るケースも出てきているほどです。ではなぜ成り手が減少しているのか。最大の原因は、ブラックとも言われるほど過酷な教員の労働環境です。この点は、文部科学省と多くの先生方の間で共通認識になっていると思います。

 問題はそれに対する捉え方やアプローチの違いです。ツイッター上で教育現場の多忙さを訴える先生方は、現場の実情を知らせることで社会の変化を促し、多忙化解消につなげたいと考えています。ところが文部科学省(や各地の教育委員会)は少し違った見方をしていて、そうやって現場の先生方が労働環境のひどさを訴えることでネガティブなイメージが作られ、それが教員を目指す人の減少につながっているのではないかと考えています。そこで、教員という仕事の持つ魅力を積極的に発信することでこうしたイメージを払拭し、教員を目指す高校生・大学生・社会人を増やしたいと考えています。

 文部科学省のこうしたやり方に対して、現場の先生方は、「印象操作ではなく、現実に多忙化を解消しろ!」と憤っています。もちろん文部科学省も、多忙化解消に対して全くの無策というわけではありません。世の中の働き方改革の動きに合わせ、中央教育審議会等においても教員の多忙化解消に向けた議論を重ね、土日祝日の部活動を学校から切り離すこと、教員免許更新制の見直しを図ることなど、各種改善策を打ち出しています。しかし現場の先生方にしてみれば、こうした改善策は効果が限定的で、多忙化の根本的な解消には至らないという不満が根強くあります。そうした中で「魅力の発信」を始めるのは順番が違うのではないかということから、#教師のバトンプロジェクトに対する批判が殺到したものと思われます。

 私は、日野町教委による勤務時間改ざん指示問