【高校演劇】「新しい演劇のつくり方」を通して中高生が主体的に生きる舞台を作りたい

【高校演劇】「新しい演劇のつくり方」を通して中高生が主体的に生きる舞台を作りたい
劇作家で演劇集団「範宙遊泳」を代表する山本卓卓と中高生が、共同で演劇を制作、稽古を行い、来年3月に渋谷PARCO9階のGAKUにて、作品を上演することを目指します。この取り組みを通じて、中高生が主体性を取り戻し、教育において演劇が有用であることを周知したいです!

考えを深める
できあがった脚本を演じることについて考える。山本卓卓の演技論を座学として受けながら、俳優が言葉を身体的に表現する、演技のプロセスを学ぶ。

第5回 演出について学ぶ
作品として仕上げるための「演出」という領域を学ぶ。自分の役から離れて、舞台芸術を構成する様々な要素を知り、社会における演劇の役割や教育における演劇の可能性についても視野を広げる。

第6回 上演に向けて稽古する
これまでの知見を土台にし、上演に向けた稽古を行う。

第7回 作品上演(短編上演)
10代の参加者と山本卓卓の共同制作『うまれてないからまだしねない』を上演する。アフターイベントとして、演劇と教育の可能性を探るトークイベント(④で記載)を開催する。

*オンライン配信も同時開催予定。詳細は決まり次第告知いたします。

集団創作とは? 脚本はどうつくる? 演技をするとは? 演出とは? 第2回〜5回の前半には、山本さんによる座学の授業を予定しています。その様子を撮影し、一部リアルタイムで配信するとともに、演劇に関わる方や、教育関係者の方が、この授業の一部を応用いただけるように、映像コンテンツとして編集、アーカイブします。

演劇を授業にとりいれてみたい先生方、演劇教育を実践してみたい方々がご参考いただけるよう、この授業のプロセスをまとめた報告書を作成し配布します。

「演劇と教育のこれから」をテーマに、山本さんをはじめ、演劇や教育関係者が議論を深めるトークイベントを開催し、教育現場における演劇の可能性をより広い視野で探究していきたいと考えています。

©雨宮透貴

山本卓卓(やまもと・すぐる)

劇作家・演出家。「範宙遊泳」代表。1987年山梨県生まれ。幼少期から吸収した映画・文学・音楽・美術などを芸術的素養に、加速度的に倫理観が変貌する現代情報社会をビビッドに反映した劇世界を構築する。アジア諸国や北米など9ヵ国で公演や国際共同制作、戯曲提供なども行い、活動の場を海外にも広げている。『幼女X』でBangkok Theatre Festival 2014 最優秀脚本賞と最優秀作品賞を受賞。公益財団法人セゾン文化財団フェロー。急な坂スタジオサポートアーティスト。ACC2018グランティアーティストとして、2019年9月〜2020年2月にニューヨーク留学。2020年5月に「むこう側の演劇」を始動し、オンラインも創作の場として活動している。
http://www.hanchuyuei2017.com
範宙遊泳・山本卓卓からのコメント

演劇創作の基本は集団創作にあります。

集団創作とは単に「みんなで一生懸命つくる」といった美しい言葉に集約されるものではありません。そこには衝突もあれば無理解もあるでしょう。我々は「みんなで〜」と意気込む時、衝突や無理解を恐れるがあまり、個人の個性や思考や存在を無視しがちです。個人が無視された「みんなで〜」は結局、その「みんな」の中にいる声の大きな人の利益にしかなりません。私自身も、個人として認識されないまま「みんな」のひとりとして学生生活を過ごしていました。この、個人として認めてもらえない寂しさ虚しさから、一歩先に進ませてくれたのが演劇だったように思います。このプロジェクトを通して参加者みんなが個人を取り戻す。主人公性を取り戻す。これが、私たちが今回取り組むビジョンです。

日本で演劇が教育として盛んに行われていない理由のひとつに「身近でなさ」があるのかもしれません。演劇や演技を行うことが、もっと趣味の一貫として日常に溢れていていいし、遊